亀の甲羅

亀の甲羅

最近は小説投稿が主。

彼女つくらないとヤンデレが…おっとこれ以上は

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ほたるとサヤと、そして僕。
〜2人のヤンデレ〜


僕は鹿田ココノツ。父さんに駄菓子屋を継いでくれと散々言われ続けてる。だけど僕にその気はない。
僕は漫画家になりたいんだ。


そんな事は置いといて———


今日は珍しく父さんがいなくて
僕が1人で店番をすることとなった。
また父さんはどこをほっつき歩いてんだ全く…。

そんな時、いつもの「あの人」が来た



「ココノツくーん!」

「…また来たんですか、ほたるさん」

「またとは何よまたとは!毎日来てるじゃないの!…シカダ駄菓子はいいわ!ほんとに!品揃えがいいんだもの!」

「そりゃどうも…。」


まあこんな感じで毎日ほたるさんが遊びに来るのだ。


「それで?ほたるさん。今日は何しに?」

「ん?あー、今日はね…ふふふ。……駄菓子が目的じゃないわ!(キリッ)」

「え!?」


珍しい…珍しいぞ!ほたるさんが駄菓子を目的とせずにこの店に来るなんて…!一体なにがあった…


「今日の私の目的は—————」

ガララッ

「おェーす  ココナツ!遊びにきたよ!」

「ん、あれ、サヤちゃん!」

「おいっす!」


この子は遠藤サヤ。豆の双子の妹で、『喫茶エンドウ』の看板娘でもある


「どうしたのサヤちゃん。珍しいね?」

「いやぁ、なんだかココナツに会いたくなってねェ!来たのだ!(パァァ)」

「ぼ、僕に!?てか駄菓子は?いつもみたいに買わないの!?」

「んー、今日はいいかな。」



どうしたんだサヤちゃん。
今日は2人とも珍しい…というか、なんか…変。

「そーんなことより!今日はココナツに大事な話が…—————」

「ココノツくん!」

「え?ほたるさん…?」

「ちょっといいかしら?」

「は、はあ…」



僕はほたるさんに店の奥へとずいずいと押され、奥へと入って来た



「なっ、ちょっ、ココナツ…!ほたるさん…!」

「大丈夫よ!すぐ終わるから!」

「いや、その言い方だとかなり危険な気が…。それにサヤちゃんが僕に大事な話がどうとかって」

「そーんなことは後で!さあ!ココノツくん!今日もお勉強の時間よ!」

「危険な気しかしない!」


こうして僕とほたるさんは店の奥へと入った。



「………ふ、ふふふふ、なるほどね…宣戦布告のつもりね、ほたるさん…でも私は負けないから…ココナツは…私のものになるんだから…ふふふ」


ガララッ!ピシャン!


「…行ったようね。」

「何のつもりですかほたるさん!サヤちゃんが帰るまでじっとしてろって。サヤちゃんが可哀想じゃないですか!」

「ココノツくん!」

「な、なんですか」

「いい?よく聞いて。サヤ師はここに来た時なんて言ってた?」

「僕に会いに来たって…」

「それよ!」

「うわ、なんですか急に」

「サヤ師は貴方に会いに来た。つまり、サヤ師の目的は駄菓子ではなく、ココノツくん。あなたよ!」

「ええ!?サヤちゃんの目的が僕?
いやいやいやいや、サヤちゃんには豆くんがいるじゃないですか」

「わかってないわねえ。ココノツくん。」

「はあ…。」

「単刀直入に言えば、サヤ師はココノツくん!貴方の事が好きなのよ!」

「え?いや、いやいやいや、ないですって!サヤちゃんが僕の事を好きになるなんてそんな…」

「まあ、私もだけどね…(ボソボソ)」

「へ?ほたるさん?なんか言いました?」

「いや、なんでも?」

「…?」

「とにかく!またサヤ師が来るかもしれないから、私は店の周辺を見るわ!それまで待ってて!ココノツくん!」

「え!?ちょ、ほたるさ…」


ガララッ。ピシャン!チャッ


「ほたるさん…。」


それから僕はほたるさんが戻って来るまで待った。だって待てと言われたんだもの。仕方ない。
漫画でも描きながら待つか。


ガラガララ


「…え、あ、いらっしゃいまs……」

「こ、ココナツ……(ゼェゼェ)」

「どうしたのサヤちゃん!?めっちゃ息切れてるじゃん!」

「ココナツ……はあはあ…」

ガラララ〜。ピシャ。ガチャリ

「え?サヤちゃん…?なんで鍵を?」

「ココナツ…ハァハァ…ココナツ!」

「うっ…さ、サヤちゃん!?どうしたの!?」

「ココナツ…」

「ちょ、ちょっとサヤちゃん!?」


まずい!サヤちゃんが僕の頬に手を…
このパターンはまずい!非常にまずい!

「こ、ココナツ…ハァハァ」

「うっ…」

「こ、ココナツって結構体温低いんだね…ハァハァ」

「手めっちゃ熱いよ!?どうしたのサヤちゃん!?」

「ココナツ…私…ココナツが…」

「そこまでよ!サヤ師!」

「ほ、ほたるさん!?どこから…」

「ふっふっふ…甘いわねサヤ師…私が表から入ると思ったの!?裏口という手は考えなかったのかしら?」

「裏口ですか…てか、なんでほたるさんはこの店の裏口を知ってるんですか…」

「そんなことはどうでもいいのよ」

「よくないです!裏口から入って来るとかそれ完全にやばいやつですから!」

「ココナツ…離れて…ほたるさんから離れて!」

「サヤ…ちゃん?」

「ふっふっふ、サヤ師、それは無理よ!ココノツくんは私に気があるもの!(ドヤァ)」

「ココナツは…」

「え?」

「ココナツは私とほたるさんどっちを選ぶの!!?」

「もちろん私、枝垂ほたるよ!ねえ?そうでしょ?ココノツくん」

「あの、えっと…こ、これはどういう状況で…?」

「…ま、どっちを選ぶかなんて、ココノツくんを見れば一目瞭然よ。(カチャカチャ)」

「!?ほ、ほたるさん!?なんで鍵を?」

「ん?ここは駄菓子屋よ?駄菓子屋が鍵なんか閉めてちゃ誰も入ってこれないでしょ?それに締め切ったままだと駄菓子が傷んじゃうし。」

「ココナツ…」

「な、なに、サヤちゃん…」

「…どっちを選ぶか決まった?」

「いや、あの…」

「さあ!ココノツくん!私を選ぶのよ!」


2人で僕に近寄ってきた…
ダメだ…耐えきれない!!!!



「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「ココノツくん!」

「ココナツ!」


僕は逃げた。
怖いくらいに2人ににじり寄られたもの。




そして…








「っはあ!!はあ、はあ…。
ゆ、夢…?ほたるさんとサヤちゃんのあの変な感じは全部夢だったのか…」


「ココノツ〜、父さんちょっと出かけてくるから店番よろしくな!」



僕はまた、いつも通りの日常を送れそうだ。よかった。あれが夢で。

でも…本当にそうなったらと思うと
僕は正直…どうなっていただろうか






ほたるとサヤと、そして僕

〜2人のヤンデレ〜
END

—完—