2018年、大晦日


伝統と歴史を持つ年越しの音楽番組を最後に


一人のアイドルが卒業しました



今後、アイドルとしての彼女は


華やかなステージからは姿を消し


ただ僕らの記憶の中だけで


少しずつ姿を薄れさせながら


踊り続けるのでしょう



さて、そもそも


記憶とは何なのだろう


26歳のおじさん、ここで考えます



記憶というのは事実です


そこに感情は付与されません


初恋のデートの場所は覚えてても


あのドキドキ感は二度と味わえないのです



だからこそ今その瞬間を


最大に謳歌すべきだと僕は思っていたのですが


少し最近考えさせられたことがあったので


発表させてください、します
 


僕の祖母は認知症です


もう90歳も近い年齢、珍しい話でもないです


今は施設に入って他の入居者と楽しく暮らしています


そして、祖父は体を悪くして入院しています


分かりやすく言うと寝たきりです


そして、僕はあんこです


少しふざけました


このお正月、久々に祖母に会いました


あんた誰や、と言われてしまいました


何となくそうだろうなぁとは思っていました


医者という仕事に就いてそんな風景たくさん見てきたし


ただ、むしろそうやって俯瞰して少し遠いところから見ているような自分が


変わってしまったなぁと嫌になったり


そんな祖母は自分が何十年と住んだ家ももう分からないようで


それでも何となくずっと楽しそうにしてて


何も覚えてないって意外と幸せなのかなぁなんて


呑気に思ったりもしてたのですが


そんな中、祖父のお見舞いに行くことになりましで


祖母は祖父の病院には何度かお見舞いには来ていたのですが


どうやらそれも忘れていたようで


こんなとこ初めて来たわ、でっかいなぁ


なんて話していました


病室で祖父を見たときも


多分入院という状況がイマイチ分かってないようなことを話したりしていて


まぁそれでも祖父と世間話くらいはしたりしつつ


長居するのも疲れてしまうだろうと10分くらいで病室を後にしました


ほんとに全部分からなくなっちゃうんだなぁと思っていたのですが


病院から出ると


祖母は


あんなに細くなってなぁ


と涙を流しながら呟くのです


もうきっと祖父との思い出なんて


何も思い出せないだろうに


それでも、何十年前に生まれたその感情は


今でもずっと残ってるんだなぁと


こんなこと医者が言ったら笑われますが


これもう奇跡でよくね?


ってちょっと思いました


感情は記憶を超えるんだ


ってちょっと思いました



西野七瀬さん、卒業しちゃいましたね


オタクになりたての頃


かわいいなぁと思っていろんな画像探したり


何時間も並んで握手したり


ライブであんまり上手くない煽りに乗ったり


色んな思い出が


きっとこれから少しずつ自分の中で薄れていくんだなぁと思うと


少し寂しいけれど


それでもきっと


どれだけ記憶が薄れても


僕の好きなアイドル西野七瀬は


僕の中で踊り続けることです


だって、あのあんこさんが言ってたから


感情は記憶を超えるってね