ここ数年はライブにも行かなかったが、テレビやラジオは大体チェックしていた。

ももクロ熱が最盛期よりは下がっていたかもしれないが、アーティストやアイドルや芸能人ではファンといえるのはももクロだけだった。

 

特に有安杏果推しでした。

 

最初2011年あたりにももクロを見ていた時、この子らはバラエティ番組で輝くなーと思っていた。

会話やリアクションが今まで見たことのないタイプで、みんなとにかく元気で明るく、前向きなエネルギーに満ち満ちていた。

 

その中でも特に有安杏果に早くから注目した。

みんなと何かテンションが違う。

 

でも面白い事を言う時は言うし、リアクションも面白いなーと思っていた。

しかしムラがあり、テンションが低い時はとにかくノリが悪い。

 

「この子はどんな子なんだろ?一番面白いのに、全然良さが出てないし、何かもったいないなー」と感じ、そこから何か惹きつけられていった・・・

 

歌やダンスがうまいという事は後からの事で、最初の頃はももクロのライブパフォーマンスは全く興味なく、あくまでバラエティ番組におけるももクロのファンだった。

それは有安杏果に対してももちろんそうで、歌やダンスでの期待は全くしていなかった。

 

いつこの子の面白さがもっと出て、多くの人に知られる日が来るのかな?

といつも思っていた。

 

それが、ある時からももクロの人気が急上昇し始め、全力のライブパフォーマンスがすごい、百田夏菜子のエビぞりジャンプがすごい、と話題になっていくが、自分はももクロはバラエティ番組に出た時が一番面白いと思っていた。

もちろんライブもすばらしいし、感動もした。

 

でもそれはももクロのすべてではないし、むしろバラエティ番組の方がももクロの真価が発揮される、と思っている。

 

有安杏果はある時からはわりとバラエティ番組にも積極的になってきたなーと感じていた。

「ももクロchan」の料理の企画や、あーりんやすの企画の時など、ノリノリだった時もあった。

 

ハッキリ言って、有安杏果の一番の魅力は天然さだと思う。

そこが面白く、かわいいところなのだが、本人は妙に常識人ぶりたがる。

 

百田夏菜子も天然だが、夏菜子は常識人ぶらずにむしろ自分の天然さで笑いが起きるのならいいや、というようなおおらかさがある。

 

杏果は自分の天然さで笑われるのがどうやら不本意だったのだと思う。

かと言って狙って笑いが取れるわけもなく、自分一人でやったオールナイトニッポンなどは妙に生真面目すぎてくそつまんなかった。

 

彼女は誰かにいじられて初めて面白さが発揮されるのであって、自分一人で真面目くさった優等生発言ばかりしていたって全く面白くないんだよ。

 

彼女は普通の女の子に戻りたいと言い、料理や教養を身につけたいと言っていたけど、それはどんどんつまらないそこらへんの女の子になっていくという事である。

 

歌がうまいのは分かるしソロアルバムもいい出来だった。

しかしそれぐらいのアーティストはたくさんいる。

 

彼女の魅力はハッキリ言って変わっている部分だと思う。

 

自分を常識人だと思っているが基本的な事を知らない、ハトが恐い、驚いた時のリアクションがでかい、絵がヘタで個性的、活舌が悪い、空気が読めずオブラートにくるまずに言ってしまう時がある・・・とこのような事が一番の魅力であり、それなのに歌がうまくてダンスもうまくてパフォーマンスがすごい、というギャップが大きな大きな魅力になっているのに、本人は普通のつまらない常識人に憧れている・・・

 

自分を客観的に見れておらず、魅力に気付いていない。

 

多分一年後か数年後までにはアーティストとして活動しだすと思うが、大きなブレークはないだろう。

 

かつて「東京パフォーマンスドール」というアイドルグループがあった。

その中で米光美保という歌がうまくかわいくて、他のメンバーから浮いている子がいた。

その子も生真面目でアーティスト志向で、解散後はアーティストとしてがんばったが、鳴かず飛ばずだった。

 

同じメンバーの篠原涼子は後に女優として大ブレークを果たした。

彼女は「ごっつええ感じ」でレギュラーとしてかなりな汚れのような扱いにも笑顔で全力で取り組んでいた。

彼女も天然気味で、歌手としてもヒットを飛ばしたがアーティストとか女優とかこだわらずにとにかくなんでもやっていたと思う。

 

この差はなんだったのかな?と考える・・・

 

有安杏果がもし、ももクロの活動がいやで、やりたくないと思っていたとしたら、何か勘違いしていると思う。

ソロコンサートが成功してアーティストとして一人でやっていきたくて、バラエティ番組などで自分の欠点がいじられるのが嫌で、常識的な事を身につけて、という事だとどんどんつまらなくなっていくだろう。

 

本人がなりたいものとモノノフが愛した有安杏果は違う。

 

常識的な事を言って教養があって真面目な優等生みたいなつまらない当たり障りのない発言ばかりする有安杏果は見たくない。

 

突拍子のないことをいったり常識離れな事を言う杏果が好きだったのだ。

 

今回の引退発表を聞いてまず信じられなかった。

「よく辞められるな」というのが率直な感想だった。

 

あれだけ何万、何十万のファンを置いて普通の女の子に戻りたい?・・・その勇気に驚いた。

そしてかなりガッカリした。

一番ファンを大事にしているのかと思っていたからショックだった。

 

この子は強力なエゴの塊なのだと初めて気づいた。

 

他のメンバーの方がファンを思っているのだと気づいた。

顔では無理して笑っているが内心はかなり傷ついているだろう。

 

残されたメンバーが不憫でならない。

ちゃんと5人が歌うように分けられているんだ。

今までのなん十曲がすべて・・・

どうしろって言うんだ?

 

ももクロは急失速していくだろう、普通に考えれば。

でも逆に応援していきたい。

 

ファンクラブにも再入会したい。

逆に上昇してほしい。

 

最後に言えばもちろん有安杏果は頑張っていた。

のどの調子が悪くてもあきらめずに治療して歌と向き合っていたしパフォーマンスも頑張っていた。

 

しかし自分の事も回りの事も見えていないのだなと今回思った。

視野が狭いのだなと思った。

 

願わくば何もしない日々で思い出してほしい。

一番大切なものは何か?

何に守られていたか、どれだけたくさんの人たちに愛されていたのかという事を・・・