旅に病んで夢は枯野を駆け巡る
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『民間療法』の危険性

度々リファインに鍼を受けに来院して下さっているお客さんが先日いらした時、ちょっと様子が変でした。

何事かと聞いてみると「首が痛くて動かせない」というのです。(*_*)

元々頭蓋骨下縁から頚椎にかけてかなりの硬結がある方でしたが、頭を左右に振ることすらもできないくらい痛くて、尚且つその痛みが頭へ響いてめまいや吐き気にまでなったとのこと。

20回以上も吐いてしまう程の辛さで病院に駆け込み、脳のCT撮影と急激な脱水対策のための点滴を受けてきたそうですが、そこまでの症状が出る以上は必ず原因があるはずですね。(-_-)

思い当たるふしは?と尋ねてみると、数日前に韓国の「小顔矯正」のコルギを受けたそうです。

以前テレビでコルギの映像を僕は見たことがあったので、そこでピンときました。
(・o・)!

改めて動画でコルギの手技のやり方を確認してみましたら、やはり頬骨に手根を当ててグイッと押し上げる方法がありました。

元々首の調子が良くないところにそのような手技を受けてより一層頚部の緊張が高まってしまい、それによって神経を刺激し痛みにつながったのだろうと推測できます。

ここで重要なのはコルギの手技そのものの効果云々ではなく、お客さんの体の状況をきちんと確認してから施術に臨む体制ができているかどうかですね。

これが医療行為であればガイドラインが統一されて施術の禁忌状態も明らかになるでしょうが、民間療法で特に施術者の教育育成のカリキュラムが確定していない分野については、施術事故への対処は各個人や店舗団体に依存することになります。

そういった背景を消費者はほとんど知らないので、きちんとした啓発活動も必要になるでしょう。

翻って我々鍼灸按摩は国家資格ではありますが毎年数例の施術事故は起きているので、今回のような問題を他山の石として日々の仕事に活かさなければならないと感じました。

頚部の痛みを訴えたそのお客さんについては、1番の細い鍼を使ってゆっくりと緊張した筋肉を弛緩させてあげましたらすぐに痛みは取れ、ほぼ通常通りに頭を動かせるようになりました。

大事に至らなくて良かったと思いました。(^o^)

NHK特番『東洋医学 ホントのチカラ』のその先

今回の特番は一般視聴者に広く見てもらうための番組としてとても良かったと思いますが、一つ解せないところがありました。

それは「何故今この時期に放送?」ということです。

例えば憲法記念日に憲法9条についてとか、敬老の日に老人介護問題についてといった祭日に合わせた特番が組まれるのはよくあることですね。

しかしこの番組が放送されたのは秋分の日の振り替え休日の月曜日でした。

以前から番組の製作放送は決まっていたけれど放送日が具体的に決まっておらず、たまたまこの日がちょうどよかっただけということかもしれません。

ただちょっと気になることが二つありました。

一つ目は先日の自民党総裁選挙の折りに石破さんが「国民ができるだけ病気にならない、また介護を受けなくて済むような施策をしなければならない」と訴えていたことです。

ネット上では「そんなことができるわけがない」「国民をロボットに改造しようとでも言うのか」といった批判意見がほとんどでしたが、この石破さんの発想は我々の業界では結構古くからあるものです。

東洋医学に於ける「未病治」の考え方は、体内から表面に進行して表れる病邪の勢いを、体内にある弱いうちに体質改善や食養生等で早めに芽を摘んでしまおうという発想です。

東洋医学を盛んにすることで国民の健康の維持増進を図り、結果的に保険医療費を節約できるという考えは僕が専門学校に入学した20年以上前の頃には既に言われていました。

二つ目は総裁選三選を果たした安倍さんが医療保険の抜本的な改革をしなければならないと発言していたことで、年間に一度も病気で保険を利用しなかった健康な国保加入者に割り戻し金を払うといったアイデアもありました。

保険医療費の増加を抑えることは財政赤字が膨らみ続ける現在の日本に於いては急務の課題ですから、もしかしたら政治の世界から東洋医学をもっと活用してはどうかという話が出てきているのではないか?そのためにひとつの叩き台として今回NHKで特番が組まれたのかもしれないと、ちょっと想像してみました。(^o^)

NHK特番『東洋医学 ホントのチカラ』を観ました

今月24日にNHKで放送された番組『東洋医学 ホントのチカラ』を録画して観ました。

内容を簡単にまとめると、鍼灸と漢方薬とヨーガについてクローズアップし、それらが人体に対してどのような効能があるのかを「科学的に分析する視点」から見てみようというものでした。

全体を見ていくつか「それはどうなの?」と感じられる部分もありましたが、専門知識のない一般視聴者に向けて放送する内容としては良くまとまっていたと思います。

放送後の感想等をネットで見てみると我々の同業者からは「もっと突っ込んだ内容でやってほしかった」という意見も散見されましたが、それはまだ時期尚早でしょうね。(・o・)

業界関係者以外と思われる人達からは
「鍼は痛そう」
「東洋医学なんて根拠が明らかでないプラシーボでしかない」
「鍼やってみたいけど保険がきかないから高い」
「鍼ってちゃんと消毒しているの?」
「ためしてガッテン!みたいな番組だな」
といった意見も多く見られました。

これらの疑問については業界団体がより一層啓蒙活動に力を入れてもらう必要もあるでしょうが、我々が一般消費者に対してきちんとした回答ができるかどうかも重要でしょう。

今後もこのような番組を定期的に継続して放送することが必要ですが、そこで一つ気付いたことがありましたので次回にまとめてみたいと思います。m(_ _)m
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