私は、光くんに恋しているけれど、こうやって三人で会えるだけで十分だった。
もし、私が光くんに告白してフラれちゃったらもう三人で会えなくなっちゃうだろうから。
だから、私はこのまま思いを打ち明けないでいようと考えた。
それから二週間に一回のペースで、私たちは遊んだりするようになっていた。
ある日、三人で会う約束をしているいつもの待ち合わせの公園に一番乗りで待っていると三郎くんが先にやって来た。
「おっはよ〜雪ちゃん!」
「おはよう、三郎くん。」
「光、寝坊したみたいで30分遅れるらしいよ〜どうする?」
「あっそうなんだ〜あっ今私にもメール来た。う〜ん、三郎くんと話してたらあっという間だと思うからここで待ってる。」
「よし、じゃああそこのベンチで座ってよっか。」
「うん。」
三郎くんと私は、以前、三郎くんに告白されたあのベンチに二人で並んで座った。
「・・・ねぇ、雪ちゃんは、光に告ったりまだしないの?」
「えっ、あっあの、実は・・・もうこのままがいいなって思って・・・告白してフラれたらこうやって会えなくなるし。」
それを聞いた三郎くんが、ちょっと怒ったような顔をした。
「ふ〜ん、じゃあ、オレの気持ちはどうなんの?」
「あ・・・三郎くん怒ってる?ごめん、せっかく協力してくれてるのに。意気地なしだよね、私。」
私はいつも笑顔を絶やさない三郎くんと違う表情に怯えた。
「オレさ、まだあきらめきれてないんだよね。むしろ、ますます好きになっちまう。」
「え?」
次の瞬間、私は三郎くんに抱きしめられた。そして、三郎くんの手が私のほほに触った。そのまま、キスされそうになった。
「いやっ!!」
私は、とっさに三郎くんを突き飛ばした。
「何やってんの?」
背後から声がした。振り向くとそこには、光くんが立っていた。