あれから光くんと先輩は、以前のようにまた頻繁に会うようになって会えなかった時間を埋めるように色んな話をするようになったみたい。
思い出話やお互いの近況とか。光くんに会うと必ず一回は先輩の話が出てくるくらい。
「そっか〜よっぽどうれしかったんだねぇ。そういえば、雪、光くんと付き合って一ヶ月ぐらい経った?」
「うん、明日で一ヶ月なんだ。光くんがイキイキしてて私もうれしくて。今度、いくみに会ってほしいな。」
「ぜひ!雪の親友として会わせていただきます。」
「うふふ、じゃあ光くんに伝えておくね!親友のいくみには早く会ってほしいってずっと思っていたんだ。」
とある学校帰り、ワタシは、親友のいくみといつものようにおしゃべりをしながら歩いていた。
辺りは並木道になっていて、春になると桜でいっぱいになる。
まだまだ寒い季節だけど、春はすぐそこまで来ていた。
二人でしばらく歩いていると、突然後ろから声がした。
「雪ちゃん!」