呼ばれた声の方へ身体を向けると、そこには三郎くんが立っていた。


「三郎くん!偶然だね、学校帰り?」


一瞬、三郎くんがいくみの顔を見た。


「あ、ああ。」


急に二人の様子がおかしくなった。三郎くんは、頭をぽりぽりかいていて、いくみは、三郎くんと目を合わせようともしなかった。


「???」


私はそのまま三郎くんと話をして、またねと言った。三郎くんが手を振りながら元の来た道を歩いて帰った。


それから、難しい表情をしているいくみに声をかけた。


「いくみ、どうしたの?」


一呼吸おいていくみが答えた。


「実は・・・彼と昔付き合っていたの。つまり、元彼。」


「えええー!?」


私は驚いて開いた口がしばらくふさがらなかった。