雨蓋とカモメ | 仮面執事と銀のギター(今は赤だけど…orz)

雨蓋とカモメ

雨で翼が濡れるから
普通のカモメなら
木陰や軒下で
羽を休めるものだけれど
おれは飛ぶ。

羽を休めて
大人しくしていると
昔あった嫌なこととか
恥ずかしいこととか

本当なら忘れて然るべき
他人からすればどうでもいい
自分にとってもどうでもいいはずの
ふざけた記憶で
頭が一杯になっちまうから。

雨は冷たく
いくら羽ばたいても身体は凍えて
無限に動ける訳もなく
飛ぶためだけに食べる。

そして活力を取り戻したら
また忘れるために飛ぶ。

飛び続けているうちに
何のために飛んでいるのか忘れて
晴れ渡った空を
目的もなく気ままに
飛べる日が来ると信じて。

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