雨蓋とカモメ
雨で翼が濡れるから
普通のカモメなら
木陰や軒下で
羽を休めるものだけれど
おれは飛ぶ。
羽を休めて
大人しくしていると
昔あった嫌なこととか
恥ずかしいこととか
本当なら忘れて然るべき
他人からすればどうでもいい
自分にとってもどうでもいいはずの
ふざけた記憶で
頭が一杯になっちまうから。
雨は冷たく
いくら羽ばたいても身体は凍えて
無限に動ける訳もなく
飛ぶためだけに食べる。
そして活力を取り戻したら
また忘れるために飛ぶ。
飛び続けているうちに
何のために飛んでいるのか忘れて
晴れ渡った空を
目的もなく気ままに
飛べる日が来ると信じて。
普通のカモメなら
木陰や軒下で
羽を休めるものだけれど
おれは飛ぶ。
羽を休めて
大人しくしていると
昔あった嫌なこととか
恥ずかしいこととか
本当なら忘れて然るべき
他人からすればどうでもいい
自分にとってもどうでもいいはずの
ふざけた記憶で
頭が一杯になっちまうから。
雨は冷たく
いくら羽ばたいても身体は凍えて
無限に動ける訳もなく
飛ぶためだけに食べる。
そして活力を取り戻したら
また忘れるために飛ぶ。
飛び続けているうちに
何のために飛んでいるのか忘れて
晴れ渡った空を
目的もなく気ままに
飛べる日が来ると信じて。