われわれには意志と行動の自由がある。
物事の明るい面を見るか、暗い面を見るかを、われわれは自分で選ぶことができる。
仕事で何かミスをした時、二度と同じ失敗をくりかえさないようにと勇敢に立ち向かえる人は、おそらくその失敗に感謝する日が必ず来る。
一方、まるで人生の終わりのような顔でその失敗を受け止める人は、目の前の被害にばかり気をとられ、そこから何の教訓も得ることはないだろう。

世の中は自分の選んだとおりに姿を変えてくれる。
世界を本当に自分のものにするのは、明るくて朗らかな人たちだ。この人たちこそ、毎日の生活の中に喜びを見出し、享受することができるからである。

勝手に災いを予測し、つくり出していたのでは、それに打ち克つことはできない。
いつも災難を背負い込んでいては、いつかはその重みに押し潰されてしまう。災難に見舞われたら、希望を捨てずに勇敢に処理しなければならない。

人生における幸福は、平静さを失わない性格、忍耐力と寛容さ、周囲の人たちへの好意や思いやりなどに左右される部分が大きい。
「他人の幸せを願うことはとりも直さず自分の幸せを求めることである」
このプラトンの言葉は、この意味でまさに的を射ている。

「向上心 サミュエル・スマイルズ著」より抜粋