移動中の特急列車で雨景色をぼんやりと眺めながら時間を過ごす。
それから仕事を終え、家に帰ってきたのだが、車窓から見えた紫陽花が妙に頭に残った。
雨の中でも健気に、綺麗な花を咲かせている紫陽花。
道行く人は雨に濡れぬよう傘に身を隠してしまうから、その美しさに気づかないのだろうか。
最近見ることは少なくなったが、紫陽花にはカタツムリが良く似合う。
普段は目立つこともないカタツムリだが、この時期だけは紫陽花の美しさを陰ながら際立たせるすごいヤツだ。
そんなことを夢見心地で考えていたら…
僕は少しだけカタツムリに嫉妬した。