ケラ | ルノアール日録

ケラ

23日の天皇誕生日に、三軒茶屋にある世田谷パブリックシアターで、「KERA・MAP」の『あれから』を観劇。

ケラリーノ・サンドロヴィッチの脚本/演出の重層的、複合的な面白さにあらためて感じ入る。

2組の熟年夫婦と、彼らをめぐる人々の関係を鮮やかに巧みに、コミカルかつ辛辣に描く(結果としては、微温的なハッピーエンドに落ち着くので、些か拍子抜けだったのだが)。登場人物相互の“秘密”が暴露され合うクライマックスの“たたみかけ”など、圧巻。

主演女優2人…高橋ひとみと余貴美子よりも寧ろ、高橋克実と渡辺いっけい、2人の男優の演技に惹き付けられる。舞台におけるその実力を、生でまざまざと見せつけられた思い。

岩佐真悠子は、演技力は流石に周囲と比べて稚拙ではあるのだが、予想を超えた大胆な体当たりぶりに、並々ならぬ女優魂と覚悟が感じられて、今後が大いに楽しみ。

設定を無国籍にした意図はよく判らない。普通の日本人の物語としても全然違和感ないのだが。