合掌 | ルノアール日録

合掌

今日(27日)の日刊スポーツの芸能面で、大口広司の死を知る。

ジュリーだって還暦なのに、ヒロシはまだ58歳。早過ぎる…。もっとも、写真を見ると実年齢以上に老けてた印象が強いが(その点、高田渡と共通するものを感じる)…、やはりハンパなく波瀾万丈だったその人生が、顔面に皺として刻み込まれていたからか。

筆者の中では、間違いなく日本ロック黎明期を代表するロックスターの1人だ。記事では彼のロック歴について「ザ・テンプターズのドラマー」としか触れていなかったが、勿論PYGの初代ドラマーでもあり、更にPYG脱退後にはアラン・メリルとウォッカ・コリンズを結成。他にもスピード・グルー&シンキの2ndアルバムに参加したりと、まさに当時のロックの最先端を走っていた訳だ。

廣済堂文庫で復刊された、内田裕也の1976年の名著『俺はロッキンローラー』の中で、近田春夫が「日本のロック界は、ファッション的にイモな人が多いんだけど、例外が2人いる。1人は裕也さん、もう1人は大口ヒロシだ」というようなコメントをしていたのを、つい最近読んだばかりだったので、感慨もひとしお。

ヒロシとショーケン、解散後も芸能界に残った2人の華麗かつワイルド、浮き沈みの激しい軌跡を思うと、やっぱザ・テンプターズは掛け値なしのロックンロールバンドだったんだな、と思わずにはいられない。遂に「再結成」しなかったことも含めて。