西国のはるか西の渓谷。
そこにうごめく怪しい影が…………。

「長かった。
忌まわしい人間どもめ!
西国が滅んだ、今が、チャンス!
西国の城を、我らの新しい城に生まれ変わらせるのだ。人間を奴隷にして、西国を、
オークの国にするのだ!」

オークの王、ガークは、
多くのオークの戦士を従えて、
西国に、進軍を始めた。

一方、その頃、北国から東国へ、
逃げる二人の姿。

アリア王女と乳母ミランは、
デスゲスの追っ手から、必死に逃げ、
ようやく、東国の国境に入った。
アリア「ミラン、頑張って!」
ミラン「アリア様、追っ手に捕まります!
先に、逃げて下さい!」
アリア「ミランを置いて行くぐらいなら、
私、ここで、追っ手と戦います!」
ミラン「姫様には、無理です。それに、相手は、デスゲス!すぐに、殺されてしまいます。はやく!逃げて!」
アリアは、アルテミスの聖弓を、構える。

デスゲスの部下、騎馬部隊10頭が、追いつき始めた。
アリアは、騎馬1頭に、よく狙いを
定めて、初めて、弓を射る。

アルテミスの聖弓の矢は、アリアが使うと、飛んだ矢が光り出し、敵の騎馬部隊1頭を貫く。
アリア「当たった!あと一回!」
アリアは、もう一度、敵1頭を狙い、矢を放つ。
また、1頭の敵の騎馬を、矢で射抜く。
残り8騎。
ミラン「駄目です。アリア様、迫ってきます。ああああ。」

敵の騎馬は、もう寸前、剣で突進して、
二人に、斬りかかろうとしていた。

その時、上空から三つの……?
それは、流星のような速さで、
敵の騎馬部隊に、突進して行った。
ライム「貴様ら〜〜〜〜!許さん!」
ライムは、ペガサスに乗って、ペガサスの神槍で、敵の騎馬を貫く。
4騎の敵を、瞬殺した。
シヴァ「カレン!残り2騎づつ、やるわよ!」
カレン「了解!」
シヴァとカレンで、残り4騎の敵を、倒した。
アリア「あれは、東国の聖龍騎士団!」

ライム「怪我は、無いか!二人とも!
あの騎馬部隊の紋章は、北国フローズ。
しかも、見た事があるデスゲスの部下、
デスゲスは、どこにいる!」
ライムは、ペガサスに乗ったまま、
上空から、叫んだ。

アリア「デスゲスは、もうすぐ、ここに来ます!」
ライム「わかった!シヴァ、カレン!
お前たちは、二人を、東国の城に連れて行け!私は、今度こそ、デスゲスを倒す!」

カレン「でも、1人では…………。」
シヴァ「カレン、大丈夫だ。今のライム姉様は、無敵だから、行こう!」
カレンと、シヴァは、ミランとアリアを乗せて、東国の城を目指し、飛竜で、飛んで行った。

ライムは、その場で、デスゲスが来るのを待つ。

やがて……デスゲスが、騎馬でやって来た。
デスゲス「おやおや?また、ペガサスとは、珍しいモノに、会えるとは、また一つ、コレクションが、増えますねぇ〜。
ライム、私のペットにして差し上げましょう!ひっひっひ。」
ライム「以前の屈辱、何倍にもして、返してやろう!死ね!デスゲス!」
ライムは、デスゲスめがけ、突進する。
デスゲス「あ〜あ。突進するだけの馬鹿には、もう、うんざりです!これでも、くらって、おとなしくなさい!」
デスゲスは、魔法を唱えた。
ペガサスは、反射的に突進をやめた。
ライム「どうした?ペガサス!」
ペガサスは、急に、東国へ方向転換し、ライムを乗せたまま、飛んで行った。
デスゲス「?あと少しだったのに。チッ!」
デスゲスは、北国へ引き返した。
その頃、北国フローズでは、
アイス国王が、ナールとデスゲスの部下達に、囲まれていた。
アイス国王「ナール?なぜ、生きている?死んだはずでは?これは、何のマネだ!」
ナールは、ただ冷たい目線で、アイス国王に、剣を向けている。
アイス国王「我を守れ、褒美はなんでも叶えよう!ナールよ!」
ナールは、無言で、アイス国王に近づく。
アイス国王「何が、欲しい。さぁ、話すが良い!」
次の瞬間、ナールの剣は、アイス国王の首を、切り落とした。
北国フローズの長いアイス国王の統治は、こうして、終わりを告げた。

続く。