ピアニストの、マウリッツィオ・ポリーニが亡くなられた。

82歳だった。

そんな歳だったのか、と思ったけど、確かに現役でバリバリ

演っていたイメージだったから。

 

最初のポリーニ体験は、NHKホールでの演奏会。

曲目は、確かショパンのソナタ二番と三番。

正面最前列の特等席だった。

 

とにかく圧倒された!

打鍵の正確さと、音の大きさ。

そして何より情熱的な演奏!!

時折叫びに近い声や、大きな息遣いが聞こえてきた。

 

最初に凄い!と思ったのは、K・ベーム、VPOと入れた

ベートーヴェンのP協奏曲五番、所謂「皇帝」。

 

NHKの放送で観たのだけど、

終楽章の最後での「叫び」がとても印象的で、

とにかくテクニックが「すごいすごい!」

としか言えなかった、、、、。

 

当時の彼のイメージは、

テクニックを磨くため、ショパンコンクールの後、

しばらく演奏会から遠ざかっていた変わり者。

ものすごく神経質で、激情家。

カメラが趣味だけど、共産党員だから、カメラは

当時のソ連製。

このような風評が雑誌に書いてあった記憶がある。

 

当時高校生だった自分は、ショパンのソナタは結構

色々な演奏家で聴いていて、母親がピアノ教師だったせい

もあるけど、父親のレコードの中にも、いくつかあった。

パハマン、ブライロフスキー、フランソワなど、、、。

戦前、パハマンの葬送行進曲は、聴いたら死んでしまう、

とか、フランソワは、ワイン飲みながら録音したとか、

訳のわからないやっぱり風評があって、それを聞いてて

面白がっていたけど、

ポリーニの演奏には、とにかく圧倒され尽くした。

 

それから夢中になって聴いて、さっき確認したら、

やっぱりかなりの枚数のレコードやCDがあった。

多分DGで新譜が出るたびに買っていたと思う。

 

一番好きな演奏は、やっぱりベートーヴェンのPソナタ

op101と108。最晩年の演奏。

若い時に、他の後期ソナタを入れていて、話では、

これらのソナタは忌避していたらしい。

理由はわからないけど。

 

他にもストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」が白眉。

ショパンはもう、どれもいい!

 

自分のブログに、大好きな演奏家の訃報の感想を書くのは、

辛いけど、ちゃんと自分の気持ちを残しておく必要も

感じている。

 

どうか安らかにおやすみください。

ずっと駆け抜けてきたのだから、、、、。