命の炎・十二 | hajimeのブログ

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魔の告知!

妻の体調と言うか体に異変が起こりました。
妙にお腹が出てるんですよ、それも太ってきたと言う感じでは無く、妊婦のような出っ張りなんです。
本人は痛みも苦しみも無いと言うんですが、明らかに異常な出方で、一度病院で診てもらったほうが
良いだろうと、私はあまり乗り気じゃなかったんですけど、取りあえず私が通院しているクリニックで診て
もらうことになって連れてくと、エコー検査で「何かある」と言うんです、そこまでしか分からないので
紹介状を書いてもらい設備のる病院でCT検査を受けることになって、CT撮影の結果は卵巣腫瘍、
詳しいことは分からないが早急に手術が必要、お腹を開いているうちに組織検査を行い、その
結果次第だが、悪性と思ってほしい、とは医師からの説明。
悪性の腫瘍と言うことは癌と言うことだ。
手術は約一ヶ月後で、それまでの間に数回の献血と言うのか、自分の血液を保存しておき、手術の
際に輸血が必要になったら自分の血液を使用すると言う事らしい。
 

運命の分かれ道

手術の当日、病院から連絡があった、病院からの連絡なんて絶対にゆろくな知らせではないと思ったが
連絡は、予定よりも手術の時間が早まったという連絡でした、何かの事情で妻の前に行うはずだった手術が
中止になったので早まった、と言う、輪私はすぐに家を出たが、妻の娘が二人の孫娘を連れて既に病院に
来ていて、私が病院に着いた時には既に妻は手術室へ入っていた。
それから30分位が経過したころだろうか、家族の待合室に看護師が知らせに来て、医師から説明がると言われて
手術の準備室へ案内されると、医師が来て説明してくれた。
「良かったですね、腫瘍は良性で転移も一切りません、お腹の中に八㍑の水が溜まってました、それを取り除いて
後はお腹を閉じれば終了ですから、もう暫くお待ちください」とのことで、医師も安堵の表情でニコニコしていた。
 
私も取りあえずは安心したが、手術室が出るまで、退院できるまでは正直んしんは出来ない。
その後妻はICUに移されて、完全に麻酔から覚めたら病室へ戻されるという。
 
 
術後は順調に経過して、妻は十日ほどで退院できて、そのときは元気そのものだったが、一月休職できるので、
後の休みは、家でのんびり過ごしていた。
 

二ヶ月後

妻が元気になって二ヶ月が経った七月の暑い日、曜日だけはハッキリ覚えています、火曜日のことです、
普段は妻が通勤のときにゴミ出しをしてくれるのが、この日は何かあって私がゴミ出しをしたんです、別に
ゴミ出しって言っても歩いて五分位の集積場へ持って行くだけですから何と言うことはないですよね。
家に帰ってパソコンを使い始めると何かおかしいんですよ、その何かは分からないんですけど間違えなく
何時もと違うんです。
マウスの操作が上手く出来ないんです、動かそうと思ったところへ一発で動かせないんです、単に
マウスの調子が悪いか壊れたのかと思って、妻のパソコンからマウスを外して交換しましたが変わらないんです、
なんだかんだとやっているうちに夕方になって知り合いから電話がかかってきて話をしましたが、やはり何か
おかしいんです、自分でロレツか回ってないのが分かるんですよ、私は一度もそんなことはありませんでした、
昔から幾ら酒を飲んでも二日酔いなんて一度もないですし、ロレツが回らないようなこともありませんでした
もちろん、この日も酒なんて一滴も飲んでないですよ、と言うより、普段も殆ど酒は飲みませんから。
それがおかしいんですよ、意味も無く独り言をいってみると、やっぱりおかしいんですよ、何だか分からず
気持ち悪いですよね、取りあえず自宅にある血圧計で計ってみると別に高い分けでもないんです、
もしかしたら風邪でもひいたのかな位にしか思ってなかったんですよ、動くことも普通に出来ますし
洗濯も食事の支度も出来るんですから。
それが二日後も三日後も同じなんですよ、これはもしかしたら、と思い金曜日は妻が早番だったので
帰宅してすぐにかかりつけのクリニックまで連れて行ってもらうように頼んだんです、
すると妻は「その方が良いと思うよ」といわれて病院へ、診察室へ入って医師に状況を説明しました、
私自身、もしかしたら脳梗塞かと疑ってはいたんですけど、医師に簡易検査をしてもらうと
「恐らく梗塞かも知れませんね」と言われて、そのまま私立病院に連絡をとってもらい、CT撮影が
出来ると言うので紹介状を書いてもらい私立病院の救急へ行くと、その私立病院の応対が
とにかくいい加減なんですよ、救急の待合室が二階なので、そこまでは自力で行きました、
それから待たされること二時間ですよ。
やっと順番が来てCT室へ入って撮影開始、撮影は十分程でしたか、その後は、また待合室で
一時間位待ちされて診察室へ呼ばれて、やはり脳梗塞の診断、ここからが酷いんですよ。
緊急入院と言うことで、取りあえず妻は必要なものを取りに一度家に戻り、私は処置室へ運ばれて
早速点滴を開始、するんですが何度やり直しても上手く入らないらしくて、五・六度刺しなおされましたよ。
これには流石に頭にきましたね「おい、いい加減にしろよ、何回刺すんだよ」
とにかく下手糞な看護師で、針を刺してから血管を探るんですよ、それが痛いのなんのって
何度もやられてやっと入って、妻が戻って入院の承諾書を書いてもらわないと病室へ移動できない
から処置室で待つように言われて寝転がってると、救急車で運ばれてくる人や、救急外来で来る
人など沢山たようです。
なんせ東京や神奈川と違って田舎ですから他に病院が無いんですよ、開業医は結構あるんですけど
救急になるとこの病院が、もう一箇所くらしか無いから集中してしまうんですね。
救急車で運び込まれる患者のほうが優先のようで、私のように自力や家族に連れてこられるような人は
後回しにされるようです。
私が順番を待ってるときも救急車で運ばれてきた人が亡くなったようで医師と看護師が話してる
声が丸聞こえなんですよ「あれは手遅れだよ」なんて話し声です。
私は処置室で点滴を受けながら妻待っていると、医師が説明に来ました。
「○○さん、梗塞が見つかりました、その場所が宜しくない場所なので、このまま緊急入院してもらいます」
それはさっき聞きましたよ、だから妻が家に必要なもの取りに行ってるんですから。
医師の説明はそれだけで、すぐに戻りました。
暫くして、妻が戻ると、他の人が何やら揉めているんです。
「何時まで待たせるんだよ、頭が痛いって言ってるのに、もう少しもう少しって何時間待たせるんだ"!」
私のベッドの周りはカーテンで仕切られていて何も見えませんでしたが、妻の話を聞くと、中年のご夫婦で
スーパー銭湯で転倒したのか、奥さんの方が頭から血を流しているのに放置されていたらしいです。
 
妻が入院の手続きして私はそこからは車椅子で移動、ところが病室じゃないんですよ、私が運ばれたのは
ナースステーションの隣にある倉庫のような部屋で、ナースコールも無ければ医療用品が乱雑に置かれている
ようなところなんです。
とにかく絶対安静で、トイレに行くにも一々ナースを呼んで車椅子で行く始末、しかもナースコールが無いんですから
看護師がきた時に「トイレに行きたい」と言うしかなんですよ。
 
翌日、輪私は普通の病室へ移動しましたが、出された指示は絶対安静で、許可が出るまでは
動けるのもベッドの上だけ。
暫くして脳神経内科の部長という人物が挨拶に来ましたが、こいつを見たときに
ここはろくな病院じゃない、と確信しました、その部長とやらは白衣のポケットに両手を突っ込んで
ついてきた看護師に顎で指図してるんですよ。
テレビの医療系のドラマで大きな病院でよくあるシーンで、大名行列のようなのを見ますよね、まさに
あれの小型版なんですよ。
これが私立病院ですよ、実はこの病院はとんでもない病院だったんです。
 
ベッドの上から動けない私に妻はクロスワードパズルの雑誌と小型のラジオを持ってきてくれていたので
昼間はクロスワードに没頭してましたね、ラジオはノイズが酷くて全く聞こえないんですよ、
入院から三日後のことです、妻が「何かほしいものある?」と聞かれたので、私はふりかけを持ってきてほしいと言ったんです、
つまは笑っていましたけど、この病院の食事は酷すぎる、おかずは毎回同じものなんですよ、ひじきと竹輪の煮物に
さやえんどうの御浸し、それに訳のわからない味噌汁、どれも味は無し!これてぶ飯食えってうんですから、調理師に
「お前が食ってみろ」と言いたかったですよ、結局は病院で出される飯もご飯だけふりかけで食べて、おかずには
手つけませんでしたね、つまらない抵抗ですよ。
隣のベッドの人だけ他の入院患者と明らかに対応が違うんですよ、医師・看護師の話し方も違うし、理由は簡単で
私のベッドの隣に入院していたのは市役所の職員だったんです。
 
更にこの病院が酷いのは七月のクソ暑い時期なのに寒いんですよ、医師や看護師は動き回ってるから熱いのかも
知れませんが、こっちは一日中ベッドの上から動くなと言われていますから寒いんですよ、私は凄く
熱がりなんですけど、それが寒いほど冷房がギンギンなんですよ、これに関しては何度も、もう一枚毛布
貸してほしいと何度も看護師に言ったけど無視されてましたね。
 
このおかげで入院中に見事に風邪ひきましたよ、入院して一週間後には移動できる範囲もベッドの上からトイレにだけは
自力で行っても良いと許可出されましたけど、トイレは私の病室の隣なんですよ。
 
一週間後位からリハビリが始まりました、リハビリと言っても歩かされたり、言われた色を指差したり、簡単な一桁の
計算をさせられたりです、そんなある日、おかしなことがあったんです、私は毎食前に血糖値を計ってインスリンを
打っていますよね、食前になると看護師が持ってくるんですけど、ある日の昼食のときに持ってこないんですよ、
私も聞けば良かったんですけど、点滴や他の薬も増えたので、その関係化と思ってしまったんですね、
それがおかしいのは、その日の夕食の時なんですよ、看護師が血糖測定器とインスリンを持ってきたんですけど、
このときに計ったら血糖値が160だったんです、それを見た看護師が余計なことを言ったんですよ。
「随分高いですね」
そりゃそうだよ、昼のインスリン打ってねーもん、高くて当たり前でしょ。
これを言った瞬間に看護師の顔色が変わって黙ってしまったんかです、記録してる紙はベッドのテーブルに乗せた
ままだったので覗くと昼の記入が無いんです、そりゃそうですよね測ってないんですから、看護師は慌てて
何処かに行くとすぐに戻ってきましたけど、今度は記録してある紙に昼の数値が記入してあるんですよ、それも朝と
同じ数値が、こんなことは無いんですよ、朝と昼の血糖値が全く同じなんてね。
たんに昼の担当看護師が忘れたんですよ、それがマズイとおもってとりあえず朝と同じ数値を書き足したんです。
酷い病院ですよね。
 
大した後遺症も無く二週間で退院、しかしこのときも適当で、預けてあるインスリンは返してくれないわ、
手渡された薬の量も無茶苦茶なんですよ、一々こちらが言わないと何が何だか全く分からないんですよ。
とにかく、こんな病院は少しでも早く出たくて適当に返事をして退院しましたけど、退院して最初に妻に言ったのは、
こんな病院には二度と来たくない、もしもこの病院へ運ばれることがあったら殺してくれ。
って頼みましたよ。
 
実は後遺症は全く無かったわけではなく、後日分かったんですが、簡単な漢字も中々思い出せないんです、
自分の名前も汚すぎて読めないほどです、元々汚い字しか書けませんでしたけど、特に酷いですね、漢字は
本当に思い出せなくなりましたね。