しゃぼん玉 90 | 影山拓斗のブログ

影山拓斗のブログ

ブログの説明を入力します。

「お礼を言われるのも何かだけど、まっいいか」
「で、話変わるんだけど」
「ゴロウちゃん、スゴく嫌な予感がするんだけど」
大将は苦笑い。
「実はこのコが絶品うどんを食べたいってせがまれちゃって」
「おいおい」
「まあまあそう言わずに、うどんお願いします」
「ゴロウちゃん、簡単に言ってくれるけど、作る方の苦労、知ってるでしょ」
大将の表情が険しくなった。
「そこを何とかお願いしますよ」
ゴロウは食い下がった。
「まったく、ゴロウちゃんに適わないよ」
「よっしゃ!ユウキちゃん富士そばは免れた」
ゴロウは小さくガッツポーズした。
「ゴロウちゃん、富士そば。うん、富士そばに行った方が良いよ」
「えっ…」
ユウキが悲しい顔をして言った。
「大将、頼んます」
「はいよ。飛びっきりなのを作って差し上げますよ」

大将は重い腰を上げた。
「じゃあ大将よろしく」
と言うとゴロウとユウキは通された席に戻った。
「あのさ、うどんとしか頼んでないけど、カレーうどんとか天ぷらうどんとか月見うどんとかないの?」
「ないよ。メニューを見てごらん」
ゴロウはユウキにメニューを開いて見せた。