ももクロのミュージカルを見てきました Part2 | ぎんちゃんの手紙

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ぎんちゃん
 ウェルッシュ・コーギー・ペンブローク・男の子 トライカラー(白・黒・淡茶) 永遠の14歳
 新”ぎんちゃん  ラグドール・男の子2008年8月生まれ
いまは ぎんまる(ヒトのオス)が好きに書いてます

ももクロのミュージカルの感想をの続き。

 

第二部が始まりました。頭から『HEAVEN』の物語です。

第一部の終わりにオーディションがあり、合格した9人の女の子たちで活動を始めています。アイドル活動は初めから不思議と順調です。

ももクロをイメージして路上から活動を始めたアイドルグループHEAVENは一気に人気者になります。すぐに日本青年館、中野サンプラザなどのホールをいっぱいするほどに成ります。

 

細かいシーン割りを書けば、3シーンに分かれます。

○ 路上から日本青年館

○ 中野サンプラザから横浜アリーナ

○ さいたまスーパーアリーナから国立競技場(もしくは東京ドーム)

という感じです。たぶん…

最初のコンサートシーンの後、9人が7人なります。

次のコンサートシーンの後、7人が6人になります。

三回目のコンサートシーンで6人が4人になります。

 

正直に感想を書けば、HEAVENはももクロをイメージしているかもしれませんが、もし7~8年前にももクロで無くHEAVENだったら私は7年前から彼女たちを応援していません。スルーしています。

コンサートシーンはももクロのコンサートの演出として、振り付けや演出を面白く見られました。が、ももクロとはダブって見えなかったです。

 

コンサートシーンは半分で良かったと思います。プログラムを見ると9曲から10曲パフォーマンスした訳ですが、3曲ずつシーン3回の9曲を見たと思います。

これ4曲か5曲でいいです。その分、シオリ、アヤカ、レニの内面に迫って欲しかったです。

 

最初にHEAVENのメンバーのうち2人が抜けます。そのうち1人が「自分は普通の女の子の生活に戻りたい。田舎に帰って平凡な主婦になる、嫁入り修行をする」と卒業する理由を語ったときに、シオリの胸の裡にザワザワするものが起きるはずなのに、何も動揺をセリフとして語ること無くメンバーと別れてしまいます。HEAVENの活動を「楽しい」と続けます。第一部の感想でも書いたように、イヤイヤ結婚されるのを逃れきたとしか思えない。

「もっと輝ける、胸が躍るような人生が私にはあったはず。結婚して妻になって、子供を産んで母に成って、老いてゆく人生なんて嫌」みたいなセリフを何度も第一部からシオリは繰り返し言いますが、それはマリッジブルーというより、もっと手前の「私の人生はこんなはずじゃない」とか「私の価値はこんな物じゃない」のような不満じゃないだろうか。

 

また、レニがホスピスの看護師だった設定だったのなら、コンサートで数万人を笑顔に出来るのは嬉しいけども、(例えば)田中のお婆ちゃんはピュアな人で曲がったことが嫌いで正直に接してくれる人じゃないとダメで誤解されやすところもある、木村のお爺ちゃんは女性とみればすぐに体を触ったり、胸やお尻をギュッと掴んだりするけども実は小学生の男の子のような人で寂しいだけなんだとか思い出して語り。年をとり終末の時期に差し掛かった二人を、置き去りしてきたような、見捨ててきたような気持ちがしてイライラするとも語り。「数万の人を”同時”に笑顔にすることは素晴らしいことだと思う。けど、身近な人を悲しい思いをさせているかもしれないと思うと嫌なの」と言って、元の世界に戻りたいと言ったほうがもっと良いと思います。

 

少しずつカナコが作り出した平行世界から3人の気持ちを離れさせるシーンがもっと欲しかったと思います。

 

カナコにしても、ダンスの全国大会の舞台に立てなかったのが未練だったのなら、アイドルとして順調にサクセスしていっても未練を解消出来てないんじゃないかな。

これはももクロではないのだから、HEAVENは「日本レコード大賞」の大賞にノミネートされてる設定に最後はしたらどうだろうか?

(レコード大賞が、現在はそれほどの価値がないだろうとは思いますが。誰にでも分かりやすい、平行世界の全国大会と同じ意味にとれる大会としてレコード大賞は便利ですw)

ももクロはレコ大の新人賞は当然にして、あらゆる関連の(”噂”では日本音楽事業者協会主催の)賞にノミネートされた実績はありません。(ゴールディスクとBlu-ray大賞と、MTVのミュージッククリップ(ダンス部門)大賞は貰いました)

再びAKB48のようなグループとレコ大のステージに並んで立っていることにして、HEAVENはレコード大賞受賞を逃す。

そしてカナコ、シオリ、アヤカ、レニの思い出の場所、通っていた高校の体育館の裏に再びジャンプして、

「満足した。4人で大会の決勝の舞台に立ってパフォーマンスして…大賞は貰えなかったけれど、4人でやり切ったと思えた。もう思い残すことない」とカナコが最後に告白して、

「転生の鍵」を番人に返して、ついにカナコも成仏するといったクライマックスが良かったんじゃない。

 

それでも少し不満が、最後にあって。

4人ともが平行世界の前と似たような世界に転生したようになっているけども、シオリは結婚したのか結婚しなかったのか、レニは今もホスピスで働いているのか別の仕事に就いたのか、アヤカは俳優をしているのか、演劇関係の別の裏方になったのか、カナコは結局どんな幸せを大人になって手にしたのか、語られも見せられもしませんでした。

 

そしてカナコは、シオリ、アヤカ、レニに気づいたけども、3人は同じ場所でおのおの誰かを待って偶然集まったけれど、他の3人には気づかずにまた別れ別れになろうとする。そこに気づいたカナコが「すみません…」といって3人を引き留め、終幕になりました。

「精一杯生きよう!」というテーマさえ語られればいいと考えるなら、

劇の中で何度もカナコが言っているので十分なのかもしれませんが。

好きなことを精一杯して、楽しく生きようがテーマじゃないでしょ。

平行世界でダンスから離れても各々が精一杯生きている姿を見せて、カナコが”何”かを酌み取って、成仏・転生したカナコは声をかけるんでしょ。

ならシオリ、アヤカ、レニも気づいて、また第一部の最初の頃のようにシオリ、アヤカ、レニの3人を見つめるカナコの元に集まって、

「初めまして…あの、どこかで会いましたっけ、私たち…」という終幕の仕方が良かったんじゃない。

 

あとさぁ…、この劇唯一のセットが第二部ぼHEAVENのコンサートシーンで、中央のせり上がりから出てくるのだけれど。白い大きな二段重ねのクリスマスケーキのようなセット、唯一のセットらしいセット。

アレならいらないでしょ。最後まで空舞台でいいでしょ、背景は全部みなさん想像してくださいといた方がスッキリしたでしょう。

じゃなければ、小道具としてリヤーカーだけ、最初のコンサートの一曲目で使うとか。カナコがリヤーカーに立って乗って、メンバーの一人が引っ張って、もう一人が後ろから支えながら押す演出を入れるかとか。

ももクロらしい演出を考えるなら、観客席の前後に大きな通路の導線があったので、その通路にメンバーの9人全員か、6人か、4人を下りて行かせて、一曲観客の中でパフォーマンスさせる演出なんかにしたほうが良かったんじゃない。

 

不満ばかり書いてしまった(^_^;

褒めが少ないと思う…… つづく