SHOGO HAMADA ON THE ROAD 2022 | アントニオ(教授)のブログ

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SHOGO HAMADA ON THE ROAD 2022

Welcome Back to The Rock Show "EVE"
2022年12月3日 パシフィコ横浜 国立大ホール

#ネタバレ有りです。

(1月の武道館はあったけど)本当に待ちに待った浜田省吾のライブツアーです。

新型コロナがあって、ウクライナのことがあって、どのようなメッセージを携えて我々の前に現れてくれるのか、楽しみとも違う、そのメッセージを感じたい、そんな気持ちで文字通り指折り数えてライブ当日を待ちました(初日行きたかった!)。

てっきり最初は「この新しい朝に」と思っていたのですが、「光と影の季節」からスタート。なるほど、「君に逢いたくて戻って来たよ」なんですね。困難を乗り越えて、逢いたくて、逢えた、そんな歌詞に感じ入ります。そして「HELLO ROCK & ROLL CITY」へと続きます。

なるほど、「この新しい朝に」は、まだ困難の途中、頑張ろう、という歌ですもんね。もうそれも終わった、という意味、そして「さぁ、これから!」という意味が、"EVE"というツアータイトルに込められているんですよね!

その後、久々の「モノクロームの虹」で「こんな夜には逢いたい 君に抱かれ眠りたい どんな未来も受け入れる 君がそこにいれば」と歌い、「君の名を呼ぶ」では「息が止まるほど君が欲しい 今すぐ」と歌う。

というわけで、前半は「逢いたい、逢えた、ずっと一緒にいたい」のメッセージが色濃く感じられました。

そして後半。「MIDNIGHT FLIGHT-ひとりぼっちのクリスマス・イブ」から「星の指輪」。間に2曲の関係をほのめかすようなMCをはさみつつ。ここでもやはり「一人になったけど、また再会できて、ずっと一緒にいられることになった幸せ」が。

一転シリアスになるのは、「ON THE ROAD」から。やはりこの曲が演奏されると、気持ちが引き締まるというか、これからも向かっていかなきゃ、という気持ちになるというか。原点の曲ですね。

戦争の話、環境問題の話、コロナの話等々。「モノクロームの虹」披露の時、「SAVE OUR SHIP」に収録された、と紹介されたのはそういうことかと気づきます。

そんなMCの中、唐突に思えた「I am a father」も、そこには「TVニュース観るたびに子供達が巻き込まれた事件」「子供が幼く尋ねる「何故人は殺し合うの?」」という歌詞がありますし。POPな中にROCKな主張。声高に叫びはせず、時流に左右されるでもなく、ずっと変わらず訴え続ける。浜省の真骨頂です。

そして「J.BOY」。やはり「SHOW ME YOUR WAY」が心に刺さります。

後半は、「ずっと一緒にいたい、でも、どうやってその未来を?」というテーマな気がしました。「ON THE ROAD」で「俺はこうする」という決意を、「J.BOY」で、「そしてお前は?」という問いかけを感じました。

「SHOW ME YOUR WAY, J.BOY」は、2011年のツアー「The Last Weekend」でも、震災後ということもあり特に心に刺さりました。

あのときは、「お前はどうする?」という、個人に対して突きつけられた印象を強く持ったのですが、今回は「みんなで解決しよう」という印象を強く持ちました。それはなぜか。おそらく浜田省吾からのメッセージには変わりは無い。変わったのは自分の立場で、この10年、役職に就いて人をまとめる業務、組織を運営する業務に関わるようになったのが大きい気がするのです。

本編最後、「J.BOY」から「家路」の連続は圧巻です。

アンコールで披露された「この新しい朝に」は、コロナ禍でリリースされた曲だからどうしても「コロナを乗り越えて」のイメージが先行するけど、このライブの後に聴くと、様々な困難があるけど、先はまだ見えないけど坂を上っていこう」という普遍的な曲と分かります。

ダブルアンコールラストは「日はまた昇る」。

そういえば、ライブ中は「モノクロームの虹」が「「SAVE OUR SHIP」に収録」と紹介していましたが、「君の名を呼ぶ」も「日はまた昇る」も「SAVE OUR SHIP」に収録なんですよね。

そういうことです。今こそ「SAVE OUR SHIP」。

今回、ライブのメッセージが身体に心に、スポンジが水を吸い込むように伝わってきたのは、恐らくこのコロナ禍というのが自分事だったからなんだろうな、と。当事者として浜田省吾のメッセージを受け取った、そういうことかと思います。

逆に言うと、2011年のツアーでそこまでの感覚が無かったのは、あの震災をどこか人ごとと思っていたからではないか、と思えてきました(震災の時に日本にいなかった事実もあり)。自分の無自覚・無責任を自覚させられると共に、変わることの無い主張を持ち、かつ時代の当事者でも居続けている、浜田省吾の偉大さを改めて実感する、そんなライブでした。

もう一度行きたい!