どうも。将棋と言えば小学生の頃「囲碁・将棋クラブ」だった峰岸です。詰め将棋は全くの苦手です。

 

 

 舞台「将棋無双・第30番〜神局のヴァンパイア〜」観てきました。

 今までも「コレってこういう世界なの?!」と始まった瞬間に驚く舞台は多かったですが、今回は世界が将棋盤九×九マスでした。将棋では場外乱闘も無く展開も限られるのでは…と余計な心配アレコレしてましたが、見始めると実に面白く奥深い。

 今まで盤上の駒をキャラクタに見たこと無かったのですが、詰み将棋って言われてみれば玉将を全員で追い詰めるデスゲームなんだなと思った次第。そこでキャラクターが台詞を言えば盤上の駒も動き、王手になれば盾となる駒を召喚して防ぎ、更に取られたら自分が逃げそれを追うと、一コマ一コマの攻防がキャラクターの切羽詰まった心理描写のようで息詰まる展開でした。

 

 この世界を構築したゲームマスターが三代伊藤宗看でクロエちゃんの演じるキャラです。頻繁に「叛逆の逆十字を!」とか言ってるので、何処まで本当の話なのか信じがたかったのですが実在の人物だそうです。蕩蕩と語られる呪詛の言葉、将棋は格下と大岡越前によって裁定された話し等も実際に有ったそうで、そこら辺の事件を盛り込んで有るのが実に凄い。

 クロエちゃん演じるのはクールなキャラが多いと思われるのですが、その路線で考えると冷酷ともいうかキャラクターを救いの無い呪いの儀式の為だけに作った世界に閉じ込めた創造主。でも将棋が認められなかったあまりその怒りを詰め将棋にぶつけて各キャラの苦しむ様を楽しむかのようなやや狂気まで感じさせる所も有り、とてつもなく感情エネルギーの大きなキャラでした。

 冒頭などダンスシーンで将棋の駒キャラを従えて踊り歌う姿はやはり高貴でステキです。

 

 …と将棋スゲーの部分に打ち震えてきましたが、その分ヴァンパイアの部分見落としてしまったかも。

 人間より優れた種として存在するヴァンパイアなので、憧れ従う者も居る(飛車、金将)でしょうし、抗う為に戦う者(角行、銀将)もいるでしょうし、観察者としての桂馬の存在等々、もっと感じ拾い取るべき情報が有ったように思えてなりません。

 他の作品で見るヴァンパイアってもっと絶対上位に君臨する者として強い筈なのに、この世界では戸惑いが先に立って、やや恐さが感じられなかったような。そう言った部分を読み取っていけば飛車さんが憧れから最後にはヴァンパイアを苦しみから解放するに至る心の流れもっと理解出来たんじゃないかと思えます。

 

 先の引用ポストに○ヴァンゲリオンて書いたのはヴァンパイアが己の欲に負けて金将に襲いかかるシーンの鬼気迫る様子がゼーレ○ヴァに蹂躙されてしまう○号機っぽく見えたので。なんでも台本に「~っぽく」と書かれていたそうで(最後の挨拶でネタバレ)、オタ妄想ではなく演出だったんだと思った次第。そう言われると、自分の望む儀式の為なら世界など滅んでも構わないと思ってそうな宗看は人類補完計画遂行するゲンドウですね。計画遂行の為の駒と思っていたキャラの覚醒により自分も解放された所も似ているかも。

 

 この世界は玉将を救った飛車により残酷な命の取り合いから解放され、呪詛に囚われていた宗看をも救い、子供達が安心して寝られる世界になった訳ですが…詰め将棋の世界なので宗看のシナリオ通り取った取られたで殺伐のまま終焉を迎えた悲劇も繰り返し行われてきたのかもしれません(で、平成ループからの脱出で仮面ライダージオウとか、上位者のプログラムで感情まで左右される世界でアニメ版ゼオライマーとか思い出してました)。

 時々この現実世界と思っているものは実は上位者が実行しているシミュレーションではという都市伝説話題になりますが、宗看の詰め将棋の世界も似た多階層世界なのでは?と思いました。  

 

 


 

■御寺ゆき, 川本紗矢, 優希クロエ 出演「将棋無双・第30番〜神局のヴァンパイア〜」E-Stage Topia × 黒薔薇少女地獄 開幕

https://theatertainment.jp/japanese-play/126950/

 

 こちらの記事が設定の補足が丁寧にされていて、ビジュアルも豊富でした。