CMJKオフィシャルブログ『LOST CONTROL』powered by アメブロ -5ページ目

なぜ今ソロ作品を作るのか

というわけで11月4日にぼくとぼくの後輩ミュージシャンでCutemenライブ時のマニピュレーター件サポートキーボーディストであり人力エレクトロ・バンドMOP of HEADのリーダーでもあるGeorgeとのコライト作品「Secret Savanna」が、本日12月9日に若手女性シンガーMONAをフィーチャーした「Life Goes On」がそれぞれリリースされました。

「Secret Savanna」は今のようにGoToトラベルキャンペーンもなく自粛が強く言われていた時期の閉塞感の中で(不要不出の外出等々の自粛は今も継続した方が良いわけですが)アフリカ行ったことないなあアフリカ行ってみたいなあという漠然とした開放感を望む気持ちから生まれました。

まずはアフロビートを組んで、コピーライトフリーのアフリカ民族音楽の歌声をChop(切り刻んでエディットすること)して曲の原型ができました。

さてここからどうしたらいい?これはこれで完成してるけどこれだけではなんだかただの劇伴(映画やどドラマやドキュメンタリー番組のBGM)みたいだな、と悩んだぼくはここからなにか広げてくれ!とデータをGeorgeに送りつけました。

2週間後ようやくGeorgeから、ベース、エレクトリックピアノ、シンセサイザー、アフロビート以外のリズムが足されたデータが返ってきました。

アフロビートにエレピ(エレクトリックピアノ)を足すという発想は自分では思いつきませんでした。やるな!George!とすっかり嬉しくなり作業が楽しくなりました。そこから3⇆往復くらいのデータのやりとりがあり「Secret Savanna」は完成しました。

https://youtu.be/_FB8FwsE6YY



サバンナにしては冷んやりしてない?というご意見もいただきましたがサバンナだって夜は10℃くらいまで気温が下がって冷んやりするらしいのでいいんです。行ったことないけどww


この「Secret Savanna」は最初は古代の超巨大魚の名前を拝借して「Leedsichthys (リードシクティス)」という名義でリリースしようかとも思ったんですが古代魚がなぜアフリカ?とか今さら新ユニット作ってCutemen解散?とか聞かれるのもわずらわしいしなんだか新しいことをやってる雰囲気も出ない気がして思い切って初のソロ名義で出すことにしました。あっCutemenは解散しませんよ。

コロナ禍にあって音楽業界もヒマです。例年の半分か3分の1くらいしか仕事がきません。ぼくもヒマです。

これはこのヒマな機会にソロ曲を作れってことなんだな、「元に戻る」と思っていたら終わりで時代の流れに振り落とされるだけだよな、今こそ何か新しいことを始めなくちゃな、どうせヒマだし!
というわけでぼくは新たな曲を作り始めました。

そうして出来上がった2曲目が本日リリース「Life Goes On」です。

コクトーツインズのロビン・ガスリー的なギターアンビエント+エレクトロなオケに、透明で儚いふわ〜っとしたVocalが乗っかる曲を作ろうと作業を始めたのは良いものの問題はVocalistです。

運良く知り合いにMONAを紹介していただけました。MONAは類稀なるウィスパーボイス、エンジェリックボイスの持ち主の若手女性シンガーです。

MONAとの作業は初めてでしたのでちょっと不安もあったのですが、MONA自身が曲の世界観を120%理解して完全に自分自身のものにしてレコーディングにのぞんでくれたので3時間かかるかな?と思ったレコーディングが30分で終わりました。それ以上録音してもこなれてしまって「儚さ(はかなさ)」がなくなっていってしまうので30分のレコーディングでじゅうぶんでした。なにも突っ込みどころがありません。MONA、完璧です。

「Life Goes On」の歌詞の世界は、望むと望まざるに関わらずものごとには終わりや別れがやってくる、それでも人生は続く、続けなくてはならない、というものです。MONAの透明で儚いエンジェリックボイスの癒し効果がこの曲にぴったりです。MONAにお願いして本当に良かったです。

https://youtu.be/JZAQ7U_jw2Q



「Life Goes On」のリリックビデオは親友の映像作家/映画監督の仁同正明氏が監督を、僕の後輩でケライの山口ヘタレ慎太郎が撮影と編集を務めてくれました。

仁同監督はこれまでのキャリアの中でもリリックビデオは初めてだろうし、山口ヘタレ慎太郎がヘタレ撮影&ヘタレ編集だし、これもまた正直不安でした。しかし上がってきた第1稿で99%OKで完成されていました。ほんの少しの修正を1回やってもらっただけで完璧なものになりました。

リリックビデオのMONAの撮影はレコーディングの4倍の時間がかかりました。MONAがストールを空にふりかざしてくるくる回るシーンをメインに3〜4カット録ってもらってスローモーションにしてもらえばいいかな、くらいに思っていたのですが、仁同監督の頭の中には完璧なプランがあり、丁寧に事前のロケハンをし、脳内に絵コンテが出来上がっていて、何10カットも鬼気迫る雰囲気でガシガシ録っていくので、な、何も言えませんでした。もし撮影中何か言っていたら撮影地の水場の中にバックドロップで投げ込まれていたと思います。寒いのにww

そういうわけでぼくの初のソロプロジェクトが始動しました。

いつか行って見てみたい風景、いつか見た忘れられない風景、自分自身の心象風景といった「風景」をテーマに「Landscape1」という初のソロアルバムが2021年1月27日にリリースされます。

2021年の1月はぼくのプロのミュージシャンとしてのキャリアがちょうど30年目になります。だからソロを、というのはたまたまの偶然な後付けでww ヒマなので何か新しいことを!ということです。

コロナがなければ生まれてなかったアルバムです。新しい時代のBGMになればいいなと思ってます。乞うご期待!