主人公は現在弁護士。
小学生の時に何回か夏合宿に参加したある団体「ミライの学校」で事件がおきマスメディアに注目されることに。 
そこは家族そろって生活、徹底した討論をする方針の団体であり、全国各地に支部がある。
主人公は結局そこの弁護を引き受けることになる。
過去と現在が交錯しながらそれぞれ進行する物語。
著者の辻村深月の心理描写が素晴らしい。
とくに思春期の少女の心模様の描き方か丁寧で秀逸。
それは2年半前に紹介した彼女の代表作「鏡の孤城」でも感じたことだ。

蛇足
ところでこの「ミライの学校」はヤマギシ会を連想する。別海町にもその牧場と生活共同体が存在する。著者はそれにヒントを得たのかもしれない。