この家には愛が満ちゆう。 | ジャジャのブログ

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 離婚して半年。大ケガをして救急車で運ばれ、入院する。周囲から、「なるべくしてなった」「働き過ぎ」「神様が休めと言っている」と言われる。同室のおじさんと、毎日お見舞いに来る奥さんの「大丈夫?」「うん。ありがと」という仲睦まじさを、羨ましいと思う。服装や会話の内容から、決して裕福ではない。でも信頼し寄り添っている。「また来るね。」「うん」。


退院してだだっ広い家で一人で寝ていると、さみしさがこみ上げる。噛むと痛いので、毎日自分で柔らかい料理を作る。勤務医に食べさすと、「先生、料理上手ですね」という。料理は好きだ。ためしてガッテンや料理マンガのレシピを時々無性に作りたくなる。しかし、家では全く料理をしてこなかった。こんなことなら、子どもたちにたくさん料理を食べさせてやりたかった。


子どもたちは元気にしているかな。7月に生まれたはずの赤ん坊の性別を、僕は知らない。長男はおむつを替えているだろうな。次男はうるさがってるかな。長女はきっと、お人形さんのようにかわいがっているのだろうな。北海道はもう、初雪が降ったかな。


物質でなく信頼や絆に価値を置いた生き方を選択すると書いたけど、全然そうじゃなかった。効率を求め、うまくやってのけることを楽しんでいた。大切なことは、目の前にいる人の気持ちに気づいて働きかけてあげることだった。仕事が鈍臭い人とでもイライラしないで楽しくやっていくことだった。


勤務医の一人は、明るくて素直で一生懸命だ。そして家族と仲がいい。そのような家庭だから、まっすぐに育ったのかな。そんな家庭を僕も作りたかったな。


龍馬伝で、リリー・フランキー演ずる河田小龍が、病床に伏せる龍馬の父、坂本八平(児玉清)に言う。「この家は実に気持ちがよろしい。この家には愛が満ちゆ。皆がそなたを敬い、心配しちゅう。そのような家だから、あの末っ子は、優しい男に育ったがじゃろうのう。けんどあれはなかなか太いぞ。きっと大きな花を咲かせるぜよ、龍馬は。」
…そんな家を作りたかった。


そうだ、まずは新しいパートナーを探しに行こう。お金がなくても家がなくても、信頼し寄り添っていけるパートナーを…。