スト生妄想短編小説 沓掛真珠編 | 徒然なる雑多文 -Life is unfair- アメブロ別館

スト生妄想短編小説 沓掛真珠編

「君が今日から教育実習の学生さんか。慣れないことで大変だとは思うけどこれが教師への第一歩だからな。頑張ってくれよ!」
今日から教育実習でお世話になる小学校の校長から声をかけられた。
僕はとある地方の教育大学に通う学生だ。
もちろん教師志望

なんだけど最近本当に自分が教師としてやっていけるのか不安でしかない。
(いっそのこと教師は諦めて就職するか…)
何て思ってるけど流石に
「僕は教職は取りません!就職します!」なんて大声で言えるような…
僕には教職資格を取らないと決断するようなそんな勇気もない…

そんな冴えない地方教育大学の学生が僕だ。どうってことないどこにでもいる面白みもない学生、それが僕だ。

趣味は釣りと競馬かな?
おっと学生だから馬券は買ってないよ(笑)
というか小心者だから自身がなくて買えないだけだ
そして後はアイドル鑑賞
所謂ヲタクって奴だ
最近というかずっとSENDAI Twinkle☆moonにはまっていて推しはくりふーこと栗村風香ちゃんだ
まあこんなかんじのさえない男である(笑)
正直、教育実習にいっても児童たちに舐められるだろうなあ
あんまり辛いなら教師はやめて就職するか…
教育実習で舐められてては教師になっても辛いだけだ…


今回お世話になる担当の先生を紹介してもらった
五年生の担当の先生で教師生活20年ベテラン
まあ一言で言えばおばちゃん笑


そのおばちゃん先生に挨拶を済ませその先生が担当する学級を担当することになった。
教育実習でも自分にとって最初の受け持つ児童、もしすると最初で最後かもな
と苦笑した

おばちゃん先生に案内され受け持つ教室に向かう
歩を進める足取りは重い
不安しかないのだ…


おばちゃん先生が教室に先に入る
中で僕のことを説明しているようだ

教育実習で先生が来ていることを知った児童たちは俄かに浮き足立っているようだ

(期待されても困るのに。。。)


そんな感じの重い足取りで教室の中に入る



視線が僕に集まっているのが分かる
やめてくれ。。。
そんなにたくさんの純粋な瞳で僕を見ないでくれ。。。


おばちゃん先生の簡単の後で自己紹介をした
緊張で何を言ったか覚えていない


その後は出席番号順に児童たちが自己紹介をしてくれた
最近の五年生は皆大人だ
普通にしっかりとした挨拶をしてくる

僕はただそれに宜しく、宜しく言ってるだけの宜しくマシーンだ

そんな中信じられない事が起こった

おばちゃん先生が信じられない固有名詞を言ったからだ
「次は 沓掛真珠さん」

(えっ!?)

すると忘れることができない美少女が
「 沓掛真珠です。宜しくお願いします」
と言っている・・・

(これは夢か…)

おばちゃん先生から「先生?」
と声がかかる
なんとか平静なふりをして「宜しく」
と答えるのが精いっぱいだった

その後の児童のことは申し訳ないけど覚えてない
上の空だ

なぜ僕がこんなにあせっているのか
それは僕はSENDAI Twinkle☆moonヲタだということだけどそれ以上に今は栗村風香推しだが実はかつては 沓掛真珠推しだった
所謂推し変って奴だ
いまでも握手会で顔を合わせるがどっちも

今日良かったよ、ありがとうございます

なんて距離感ありありの定型文しかできない
小5でそれをやってくれるだけでも凄い話だが。。。

もちろん、 沓掛真珠ちゃんが僕の顔を知らない訳がない


僕はあせりまくりだが真珠ちゃんは怖いぐらいに何も思ってないようだった

その日から二週間も教育実習が始まったが真珠ちゃんは僕に全く興味がないようだった
授業を受け持つ時も他人のようにふるまい
僕は指す時も「沓掛さん」と呼んでいた

真珠ちゃんも「はい、先生」
誰もかつの推しとヲタとは思わないだろう


話は変わるがなぜ僕が推し変をしたか
それはただ風香ちゃんがより魅力的に思えただけで何もない
だからこそ気まずいのだが

それから二週間、教育実習が続いたが特に何もなかった

途中、ある女の子たちから
「先生知ってる?真珠ってアイドルなんだよ」
「ねっ、真珠!」
と遠くにいる真珠ちゃんに声をかけ真珠ちゃんが無言で微笑んでいたことはあったが

僕は「ああそうなんだ。」としか言えなかったが



そんな感じの二週間も過ぎて教育実習最後の日

真珠ちゃんが僕を待ち伏せていたようで声を掛けてきた

ビックリした

しかし、真珠ちゃんが

「私がここの学校だってこと絶対に他の人に言わないでくださいね」
と早口で言ってそのまま消えてしまった

うーん。。。

最後のお別れ会で児童たちから寄せ書きをもらったが真珠ちゃんからは「ありがとうございました」
と簡素な言葉が書いてあっただけだった

やっぱり僕は教師には向かないな

就職活動をしよう

この教育実習で決めた結論だ

しかし、問題はこれからだ
日曜日のクルムンの定期は風香ちゃんの生誕だ
生誕委員をやっているので行かない訳にも行かない

しかし、どんな顔で真珠ちゃんに会えば良いのか
握手会が個別なら良いのに。。。

風香ちゃんの生誕祭は色んな方の協力で盛況に終わった
本当に良かったでも、気は晴れない

(握手会に参加しないのも風香ちゃんに申し訳ないし)

(勇気を出して参加してみるか)

風香ちゃんは凄く喜んでくれたみたい本当に良かった


そして真珠ちゃんの前に来た。。。

僕が定型文を言おうとするとそれに被せるように

「素敵な先生になってくださいね。」

と最高の笑顔で言ってくれた

「うっ、うん。ありがとう!頑張るよ!」


僕は就職活動をやめて教師になる決心をした

あの子との約束を守るために。。。