SEKAI NO OWARI / Tree 全曲レビュー | 徒然なる雑多文 -Life is unfair- アメブロ別館

SEKAI NO OWARI / Tree 全曲レビュー

先週のオリコンアルバムチャートで驚異的な記録が出た

セカオワことSEKAI NO OWARIのニューアルバム『Tree』が初週の売り上げ枚数が約25万枚を記録したのだ

このCDの売れない時代に驚異的な数字である

しかも握手会もなしで


米ビルボードチャートでもダウンロード含めても20万でも近年はなかなか数字ではない



今、『セカオワ』という現象から背を向けることはできないだろう


セカオワの支持層は圧倒的に十代から大学生ぐらいの若い子である

大人は彼らの音楽や言動に眉を顰める人も多いだろう


でも、良く考えて欲しい

尾崎豊、ブルーハーツ

など大人は眉を顰めて十代は熱狂する


こんなことは音楽の歴史の上で何度も繰り返し起こってきた

もっと言えばビートルズもエルヴィスプレスリーだってそうだ


でも、どうだろう?

尾崎豊もブルーハーツもビートルズもエルヴィスも「歴史」が正しかったことを証明した


セカオワの評価が本当に分かるのは十年後、二十年後になることだろう

そんな彼らの作品に今こそ逃げずに向き合う必要性を感じたので全曲レビューをします



1.the bell


ベルである


ただのベルである


なぜこの音が入ってるいるのか?

それがポイントだ

これはかつてロッキングオン社のBUZZ誌でDaft Punkの「One More Time」を『新たな時代の希望の鐘』と評したことがあるがそれへのオマージュではないかと想像する

そうこれはセカオワが音楽の新時代の到来を告げる『希望の鐘』なのだ



2. 炎と森のカーニバル


昨年の四月にリリースされたシングルを収録している。

セカオワの代表曲の一つと言えるだろう


山梨で開催されたイベントと同名でもありセカオワを象徴する曲ともいえるだろう

曲はブラスバンドを取り入れており売れ線になって以降のCHICAGOのようである

しかし、シカゴと違うのはアコーディオンを入れる事で幻想的な感じにしており歌詞の通り

セカオワらしい寓話的な作品

後半の展開はMercury Revを彷彿とさせ幻想的でドラマティック




3.スノーマジックファンタジー


こちらも先行シングルの収録である

セカオワ初のオリコン一位曲

セカオワ時代を告げる曲と言えるだろう

雪の妖精をテーマとしたセカオワらしいファンタジックな曲


BUMPのスノースマイル以来の邦楽ロックの界の冬の名曲だと言えるだろう

こちらもブラスバンドを取り入れているが後半のコーラスを重ねる感じは10CCの I m Not In Loveを思わせる



4.ムーンライトステーション


こちらはバンジョーぽい音を取り入れてちょっとカントリーっぽい感じを出しているのはTaylor Swiftへの回答かも知れない


列車の音が入ってるのは多分NaSのIllmaticへの回答だし

銀河列車と言っているのはGOING STEADYの銀河鉄道の夜への回答だ、きっと



5.アースチャイルド


タイトルからしてKing Crimson の MOONCHILDへの回答だし

冒頭の1950年代のアメリカの音楽番組っぽい感じはSUPERCARのLuckyのPVへの回答だと思う


セカオワの曲しては珍しく疾走感があるのが特徴的な曲


歌詞の中の大人への不信感が溢れているのは尾崎豊へのオマージュと考えるのが当然だろう


途中の鍵盤の感じはTHE ROLLING STONESの『SHE'S A RAINBOW』を思わせるしニッキーホプキンスへの追悼の意味が込められてるのかも知れない



6. マーメイドラプソディー


今度は人魚である

どこまで幻想的なんだろうか・・・

多分、NOKKOの名曲『人魚』へのオマージュだと思われる


曲は21世紀前半のradioheadを思わせるようなエレクトロニカ的な作品である

ライブで披露すればradioheadのさいたまスーパーアリーナライブのような会場がダンスフロアと化すであろう


7. ピエロ


今度はピエロである

セカオワと言えばピエロことDJ LOVEである

まさにセカオワに何故ピエロがいるのか

この曲を聴けば分かる


この世界はピエロという存在が必要である

そしてピエロの仕事を受けるすべての人への応援歌だと思う


曲中に動物の声が入っているのはPink Floydの『ANIMALS』へのオマージュだと思われる



8. 銀河街の悪夢


セカオワのフロントマンFukase自身の過去のことを歌ったと思うこちらの曲

精神安定剤を服用していたというFukaseと同じ境遇の若者への彼からのメッセージかも知れない


曲はセカオワってこんなにアコーディオン使うんだってぐらいまた登場である


後半の展開はやはりMercury Revを彷彿とさせる

セカオワはMercury Revの正式な後継者なのかも知れない



9. Death Disco


これは否定のしようがないPublic Image Ltd.の「Death Disco」へのオマージュである

それしかありえない


普通はあの名曲と同じタイトルを使うなんて世界でセカオワだけに許されることだろう


Public Image Ltd.の「Death Disco」はチャイコフスキーの白鳥の湖のフレーズを使用しているがセカオワは使わない


曲としてはEDMっぽいがこれはアフリカンビートっぽさもあるので実はJUNO REACTORへのオマージュなのではないだろうか



10. broken bone


全体的に長いセカオワの曲の中で3分以下でアルバムの中で逆に存在感がある


ハウスっぽいと言えばそれまでだがそれ以上に曲といいオートチューン、ボーコーダーの使い方がPerfumeが中田ヤスタカと手を組みポリリズムでブレイクする前夜のあの感じある


11. PLAY


これは12.のRPGと組曲になっている曲だろう

全体的にRPGのゲームミュージックっぽい感じでセカオワはこんな音まで出すのかという素直な驚きがある


人生は魔法が使えないハードモードのゲームであり、リセットはできないが何度もトライできるという

ゲーム世代送るFukaseからの応援歌だ


12. RPG


フルオーケストラの壮大な曲である

なのにFukaseのボーカルは加工してある

この違和感がThe Flaming Lipsのようなサイケデリックドリーミングポップ感を出している


まさに21世紀のRace For The Prizeである


13. Dragon Night


Avicii へのオマージュとしか言えないよドラゲナイ ドラゲナイ