~前回までのあらすじ~

来るべき7月3日ももかソロコンに向け、横浜へ向かったオッサン2人。宏樹(俺)、貢(仮名)
宏樹の熱心な指導もあり、無事に横浜に到着。
着くやいなや、ソープに向かう二人。
終わった直後の貢の態度に宏樹ブチ切れ。
良いムードの中、今晩の宿とした満喫に向かう事に……。



宏樹「俺はどんな如何なる環境でも寝れるけど、みっちゃん大丈夫か!?」
貢「う~ん。まあ何とか大丈夫かも。でも広い部屋がいいな~。」

そんな他愛のない会話をしながらも満喫に到着。無事に空室もあり、胸を撫で下ろす二人。
時刻は深夜0時を回っている。

宏樹「俺はソロコンの物販あるから、安い部屋でいいわ!!」
貢「了解。じゃあ俺は広めな部屋で!」
宏樹「ok!じゃあ8時で!」

特に如何わしい関係でもない二人なので部屋は結構離れていた。。

宏樹(まだ眠くねえな。少し漫画読むか。)

いくらかの疲れを感じつつも適当に漫画を漁る宏樹。たまたま目に着いた「自殺島」を読み出す。

宏樹(ああ、ホーリーランド描いてた人のか。にしてもネガティブな内容やな。)

そんなことを考えつつも読みふける宏樹。
時刻は2時を回っている。その時ふとした違和感が。

宏樹(く、臭え…。なんだこれは。。)
今までの宏樹人生の中で嗅いだことがない悪臭。宏樹は焦った。

宏樹(や、ヤバい…。このままだと夜明けを待たずに俺は間違いなく死ぬ。とりあえず発臭源を特定しないとやられる。)

人間は死に直面すると思考停止に陥るケースと生に対する執着から脳が極限まで活性化するケースがあるという。幸いにして、ソロコンを控えた宏樹は後者であった。

宏樹(貢に助けを求めるか!?いや。あいつまで危険に晒すわけにはいかない!!ここは俺の力だけで生き抜くんだ!!とりあえず動け!!俺の身体!!)

漫画を読んでいた姿勢から何とか身体を起こす宏樹。とりあえず発臭源が自分では無いことを確認する。

宏樹(悪くない。俺ではないな。では敵は外の世界か…。)

ギィ~~。。67番席の扉をあける宏樹。外の世界への扉を開いた。

宏樹(う、、マジかこれ。周りの人間に生存者はいるのか!?!?)

個室から出るやいなや、強烈な臭気が宏樹を襲う。

宏樹(ヤバいな。かなり敵は近い。だが貢の身が心配だ。あいつ42番だったな。待ってろ!!貢!!貢!!)

貢とは色んな事があった。
高校時代からの友達。当時貢が持っていた「上原あやか」のAVを自分が観たいからという欲望から実家に招き、いざ観ていたらムラムラしちゃって、「AVを置いて帰ってくれないか!?」という俺の暴挙にも貢は笑って応じてくれた。そして今まだこうして友達でいる。
宏樹(あいつは俺のダチ、いや!!仲間だ!!)

満身創痍で42番にたどり着いた宏樹。67番から20mほど離れている。

宏樹(貢!!無事で居てくれ………。)

時間もあり、静かにノック。

コン…コンコン。
………………………………。
コンコンコンコン
………………………………。。

宏樹(!!!!?貢!!貢~!!貢……。駄目だったか。俺はあいつを守ってやれなかった…。仲間一人守りきれなくて何が有安宏樹だ!!!!!)

自分の不甲斐なさを噛み締め立ちすくむ宏樹……。

宏樹(せめて…、亡骸だけでも……。)

ドアの隙間から中のようすが少し見える事に気付いた宏樹。認めたくない現実から逃げず中を見る。

そこには横たわる変わり果てた貢の姿があった……。

宏樹(み、貢……。)

その時、宏樹の中でこれまで感じた事のない感情がこみ上げて来る。

宏樹(…………。貢をやった奴を俺は絶対に…………許さねえ!!!!!)

Vol.0.5.1へ続く……。