イビツな影法師を見たのは
希望を手放したあの時から




薄暗い部屋で揺れる期待は
甘く苦く過去を遠ざける





どこかで君は微笑んでいるだろうか




僕はあれから君ではない人と付き合って
忘れようと試みるけれど




時折思い出すその日々は
人生で最も失くしたくないと思う日々でした







覚えていて意味はあるのか
縛られるだけの過去なら要らないと分かっていても

必死で守るのは進化を拒み佇む歩み





遠くへ行くんだ





新しい環境、人々、時間を越えて
転がって辿り着いた先でも


枷はずっと付いたままだった







大きなクジラに飲み込まれてしまいたい



今の僕は自分すら正しく導くことが出来ないんだと思う




地図を与えられても
嵐から逃げるばかりで
目的地も分からなくなって




大きな海のど真ん中で彷徨うんだ







悪い夢だと誰かに言ってもらえると
良い夢をみてはもう深い海に沈んでいる




もう助からないかな








安いドラマの受け売りで作り上げた悲劇は
誰も助けに来ない1人だけの大きな虚構






ちゃんと抜け出すんだ





全てを昇華して




本当の現実を見るために





1秒先の世界を生きるんだ






Fin