須藤の件が大きく報道され、須藤を擁護する著名人がいたり、優子が謝罪したり、高橋朱里はスピーチを後悔していないと表明したり、混迷を極めています。

いまだに須藤や運営からの公式な見解発表はありません。

ファンの皆様はお分かりだと思いますが、この問題の本質は「須藤が結婚するかどうか」ではありません。

須藤がどんな相手といつ出会い、どんな思いで恋愛して、そして本当に結婚するかどうかは問題ではないのです。それは須藤がファンに真摯に説明してください。


これはAKBグループを運営する企業のリスクマネジメントの問題なのです。


アイドルを商品とする企業がこの問題をどう考えているのかをいち早く表明しなくてはならないのです。

AKBグループは恋愛禁止を公言してきました。
以前は恋愛スキャンダルが暴かれたメンバーは解雇されたり、強制卒業されたりしてきました。

しかし、指原がHKT左遷、峯岸が謹慎後復帰という道すじをたどった後、恋愛スキャンダルに関し、公式な表明はなくなりました。

人気メンバーに関してはスルー、そうでないメンバーは任意卒業という形で、黒をむりやりグレーにしてここまできたのが現状です。


そもそも、人の色恋を他人が左右できると思っている人間はどれくらいいるのでしょうか。誰かに恋するということを理性で制するのはほとんど不可能です。なぜならそれは人間に備わった本能だからです。笑い話ではなく、生殖し繁栄するための欲求なので、人間の三大欲求と言われています。

アイドルも人間なので、恋するのは仕方ないことです。それは禁止どうこう論じるものではないのです。


例えば食品工場。
多くのラインに、それを形作るさらに膨大な数の部品。毎日点検を重ねたが、何万個の部品の中の1つのネジが、間違って食品に混入してしまった。

許されることではありません。

食の味だけではなく安全も提供しなければ、それは商品にはならない。

企業は謝罪します。そして、そのラインで作られた商品を回収し、なぜネジが落ちたのか、なぜ防げなかったのか、これからどうすれば防げるのか、などを調べ、見解を発表するはずです。

それを見る消費者の目はどうでしょうか?
何万個の中の1つのネジを管理することがどれほど容易ではないということを、自分の経験から感じるはずです。そして、企業の見解を見て、自分が納得できるものであれば、また購入するでしょう。それが社会的に赦されるということだと思います。

ここで言いたいことは、
どんなに最善を尽くしても事故は起こる。しかし、それが改善の余地と意思があるのなら、復活できるということです。


消費者は、何万個のネジの1つが入ってしまったことは仕方ないと思うかもしれません。しかし、それを企業が容認してはいけないということです。そんなことが起こればその企業の倫理観が問われ、信用してもらえないと思います。

つまり、ファンがアイドルの恋愛は仕方ないと思うことはいいのです。しかし、それを運営が容認すればアイドルを商品とする企業としての体をなさなくなります。それは、社会的に信用のなくなった組織やグループの空中分解を意味します。


運営は、この問題を長らく先延ばしにしてきました。忍耐強いファンもそれについてきました。しかし、この間の総選挙で、メンバーの1人が、この問題を日のもとに置いた。

これはメンバーのスキャンダルだけではなく、一企業の倫理概念を問うという事態になっているのです。


2014年に握手会でメンバーにファンが刃物で怪我をさせるという事件が起こりました。当時の総監督のたかみなは「AKBが終わると思った」と述べ、危機感のない運営にメンバーのケアや握手会の改善を求めました。こじはるもグループに残り、現状を支えました。握手会も公演もすべてキャンセルされ、メンバーもファンも状況に頭を抱えた事件でした。

しかし、私はAKBが終わるとは思いませんでした。それは、AKBを終わらせてはいけないと思うメンバーと、懸命に状況復旧に努めるスタッフ、そして、ファンの願いや励ましがそこにあったからです。危機から立ち上がるという同じ目標に向かっている多くの心があれば、何とでも出来るのです。


ただ、今回は運営が判断を間違えれば、AKBは没落してしまうでしょう。

1メンバーが恋愛をして結婚すると宣言した事実。ファンに嘘をついて、投票という金銭要求を焚きつけたという事実。それを総選挙という莫大なお金が動くイベントで発表したという事実。

これはもうリスクというより、クライシスマネジメントを問われています。事件を素早く収束させなければなりません。

この際、須藤うんぬんというよりも、運営はこれからのマネジメント方針を早く発表するべきです。

私は、須藤の総選挙順位剥奪およびグループ解雇、須藤に投票したファンで希望する者への返金、今後同様の件が起こった場合の対処方法などを提案します。

そこまでしなくても、という世論があるかもしれません。しかし、これはグループとメンバー、そしてファンを守るための保障です。

ピンチはチャンスにするべきです。
この機会は逃さないことです。


運営には期待できないことも事実ですが、早い解決を望みます。そして、功労者の麻友の卒業イベント開催に向け全力を尽くしてほしい。

前田大島世代から応援していたファンとしての願いです。