blt最新号の齋藤冬優花のインタビューが素晴らしいとファンの間で好評だったので、読んでみた。

2周年ライブの前後について話している。

間違ったことは言っていないし、頑張りたいとも言っている。去年の夏から言っていることは変わっていない。

平手という存在がいない、ということがこのグループにとっては致命的な事態なのだろう。8月に倒れてから代理センターを立てて単独ライブをするまで、8ヶ月もかかってしまったのだ。

4月の2周年ライブの前に、1月末に武道館ライブも予定されていたが、中止となった。

その経緯についても書かれている。

武道館ライブが発表されたのが今年の元日。その2週間後に平手の怪我で中止という運びになるのだが、その理由というのが「残り2週間で、新曲制作も入っており、平手抜きでのフォーメーション直しが不可能だった」というものである。

これを堂々と言ってしまうことが凄まじい。時間がないから出来ない、ということが、果たして免罪符として機能するかという判断がファンには問われている。

そもそも、この事態は突発的ではない。

平手の表立っての不調は夏からである。それから、彼女は劇的な回復を見せることなく、やっと立っているような状態で歌番組などに姿を見せていた。

そして紅白で2度目のパフォーマンス後に過呼吸倒れている。
(1度目のパフォーマンス振り付けで倒れた際に打ち付けたことで腕を負傷した)

約半年に渡って、きちんとステージに立てていない不安定な状態である。それなのに、1ヶ月という短いライブ準備期間で、しかも新曲制作を並行するスケジュールを立てた。

そして、怪我という理由で参加出来なくなり、残りの20人のメンバーでは補完出来ないので中止ということである。

これはかばいようもなく、愚かとしか言いようがないのではないか。

ひとつは、平手の状態が悪いと知りながらも不在時に対応できないスケジュールを立てること。ふたつは、平手が夏からステージに立てていないのに、他のメンバーがカバーできるレベルに達していないこと。

これらを鑑みて、時間がないと公然と言ってのけることが、恥ずかしいと思っていないのか疑問である。


齋藤インタビューで、さらに疑問に感じたことが、不協和音がセトリに入っていて驚いたということと、鈴本のサイレントマジョリティーについてのエピソードである。

詳しくはインタビューを読んで頂きたいのだが、どちらにも共通して言えるのは、紅白でも披露した、グループの生命線とも言える、サイレントマジョリティーと不協和音を披露しないかもしれないという思考が、メンバーにあったということである。
(結果として不協和音は3日間披露、サイレントマジョリティーは2日目を除いて披露した)

体力的にとか世界観とかで、代表曲を披露しないという選択肢が、彼女たちの中にあるということがまず驚きである。

彼女たちの状況は、1月の武道館を中止し、4月のライブは何が何でも成功させないといけないというものではなかったか。

崖っぷちというよりも、もはや崖から腕ひとつで繋がっているような状況であると思う。

つまり、世界観だの贅沢を言っている場合ではないということだ。持っている武器はすべて使い果たしても、くらいついて、崖を登らないといけないのである。

その意識もなく、まるで披露したことを美談かのように語る。

準備不足で起こった事態を、なんとかやり過ごしたと恍惚の表情で語るのである。

グループで1、2を争う熱心さで知られる齋藤ですらこの意識であるから、グループ内の状態は想像を絶するものであろう。

それだから、平手なしでのライブを作り込むのに8ヶ月の期間を要したのであるが。

インタビュー全体を通して感じることは、全てにおいて内向きなのである。エンタメとは客に向かってすることだが、このグループは、自分たちのためのライブをいつまでもやっている。

学校の部活動から抜け出せていない。大人数グループは、大体危機感があるメンバーが引っ張り上げるのが多勢であったように感じる。欅坂にはそのメンバーがいない、あるいは発信力をもたないという残念な状況だ。

周りの大人から改善しないのは、CD売り上げが好調だからだろう。握手会も好評である。

会社としては売り上げを維持してくれればいいのだ。グループの意識向上などと言って、一般社員が喝など入れれば、左遷ものだと予想できる。

誰もが危ういと知っているが、誰もが見て見ぬふりをしているのである。

それを再確認できるようなインタビューだった。興味がある方は是非目を通してほしい。

最後に、齋藤個人は悪くない。
インタビューから自己陶酔を強く感じるが、グループのことを想い、前向きに頑張ろうとしているメンバーである。
ただ、グループを取り巻く環境が異質すぎて、誰も取り入ることが出来ない不幸な状況なだけだ。

そんな状態にも関わらず、メジャーで存続している稀有なグループである。今後を見守りたい。
欅坂46は、例えるなら痛覚の無い人間。

痛覚が無いということは、
痛みを感じないわけで、
その分苦痛がないんだけれど、

足を骨折したり、
火傷で皮膚がめくれたりしても、
気づけないということ。

痛みがないから、
それを修復することもないし、
庇うこともなく、

気がついた時には、
壊死している。


それくらい、
大切な何かを感じることの出来ないグループになってしまった。


ひどかった全国ツアーから半年、
リカバリー出来ないまま、
武道館公演を発表後に中止。

2週間の期間を残して、
「完全なものを見せることが出来ない」
という理由での欠場が、
一体どういう考えのもとでの判断なのか。

痛覚を持とうともがいているのか、
もはや壊死が重心部まで達しているのか。

遠くから見届けたいと思う。

最近は欅に対して疑問に思うことが多すぎて素直に応援できないことが多くてつらいです。コンテンツを素直に楽しめなくなったら離れた方がいい、と言われたので今は傍観者になっています。が、疑問に思ったり、悲しかったことを書いていこうと思います。



私は夏の全国ツアー福岡公演に参加しました。

平手は全国ツアー初日の神戸公演から体調を崩しており、その後のフェスも辛そうな様子が映像で伝えられましたが、私は万全でなくてもメンバーが頑張るならライブを見たいと思い、福岡へ足を運びました。


ライブの出来は、はっきり言って思った以上に良くなかったです。

平手は心ここにあらずでステージに立っているのがやっとの状態。他のメンバーには迷いが見られてグループが空中分解してしまうんじゃないか、という印象を受けました。代名詞のサイレントマジョリティー、最新曲の不協和音の披露はない、という寂しい結果にも終わりました。


しかし、ツアー最後の幕張公演では、休養していた今泉の復帰、ダブルアンコールでは平手のソロからの不協和音披露で大絶賛の嵐。地方公演しか行けなかった者として少し寂しさもありましたが、平手やグループが復調しているならよかったのかなとも思いました。

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ツアー終了後は、多くのメンバーがブログやメッセージ、雑誌のインタビューで夏のツアーを振り返っています。ほとんどに目を通しました。「完璧でない中全力を尽くすため頑張った。不完全なものを見せたことは申し訳ない」といった類のもので、暗中模索しながら奮闘したのだと納得していました。


多くの心境吐露のなかでも感銘を受けたのは、ブブカ12月号の小林由衣と渡邉理佐のインタビューです。特に小林由衣のプロ意識はすさまじく「舞台に上がっていたら同じ方向を向いていたい」「ファンの方に見せるライブなのでとにかくファンの方を後悔させないように」「仮に誰かができなくなったとしても自分がちゃんとやっていれば周りもどうにかついてきてくれると信じて」などと力強い言葉が並びました。

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渡邉理佐は「他のメンバーの体調が悪ければ、そうじゃないメンバーがカバーしなければいけない」「ひらがなちゃん(けやき坂)・・・中略・・・このままだと私たちは抜かされるなと思った」「その公演しか来ない方もいるんですよね」と話しました。

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私はこれを読んで、グループがガタガタでキャプテンの菅井がどうしようも出来ないと悩んでいても、きちんとグループと客の双方を考えられるメンバーがいればきっと大丈夫だと思ったのです。


しかし、その考えは平手のインタビューを読んで、脆くも崩れ去りました。

平手の単独インタビューはストリートジャックとロッキングオンジャパンの二誌で行われていますが、なかでもロキノンのインタビューは悪い意味で衝撃的でした。8ページにも渡るロングインタビューなのですが理解出来なさすぎて、吐き気をもよおしたくらいです。

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「不協和音は出来るときと出来ないときがある。ロッキンオンジャパンフェスは勝負にいかなきゃいけない場でもだとわかっていたし、だから今までのツアーではやってこなかった」


「曲順にストーリー性がなかったり、ちょっとしたことでも『だったらやめよう』『出たくない』という人間なので」


「今はほんとに強いです。だから今ライブやりたいです」


 実際に読んでいただければわかると思うのですが、言葉を切り取って揚げ足取りしているのではありません。本当にこういう流れなのです。しかもこのインタビュアーはこの平手を絶賛し、欅を背負っていると言い出す始末です。


完全ではないライブを見せることや、グループをまとめることに関して悩み抜いたキャプテンの菅井をはじめ、小林や渡邉の気概、ツアー中に様々な葛藤を抱えてやりきったメンバー達の想いはどうなるのか・・・そう思うと悲しくなりました。メンバーは平手のこのスタンスに納得しているのか、と。


そして、運営がこの記事を出したことにも疑問です。

平手は、グループは本当に大丈夫なのか、という思いです。


平手に関しては、グループのドル箱で下手に扱えないんだろうなという忖度は抜きにしても、明らかに人間として逸脱しているのではないか、という危機感すら覚えます。1年前は「欅坂というグループを知ってもらうために頑張りたい」と言っていた子です。そんな子がなぜ・・・という悲しみしかないです。


欅坂は、先進のAKBや乃木坂が作った握手ビジネスのフォーマットを踏襲し、ソニーが莫大な資金を投入して、それぞれのクリエイティブが作り上げたプロデュースユニットです。もちろんメンバーの努力もあります。しかし、他のアイドルと差別化をはかったプロジェクトでのムーブメント作りに成功したと考えるのが普通ではないでしょうか。


つまり箱の中身はなんでもいいのです。

それを平手は分かっていない。16歳なんだから仕方ないという人もいますし、私もそう思う側面はありますが、それならば対策を講じるのが大人の役割なのではないでしょうか。


不安定な平手頼みにしてツアーをおろそかにしたり、平手の暴言に等しいインタビューを公表するのが、本当にグループのためになるのでしょうか。


先日、欅坂の紅白が決まりましたが、昨年のような良かったという感情はありません。ただ、内容はどうであれ今年もメンバーは頑張っていたと思いますし、このグループの危機は活動しながら解決しなければ一気に瓦解すると思うので、何とか好転したら、という思いです。