ネバーエンディング・ストーリー (1)
汗・・・
今年の夏の暑い盛りのこと・・・。
ブック・オフで本を見ていた。
その時、どこからともなく異臭が漂ってきたのだ。
むむっ!こ、これは・・・近くにホームレスの方がいらっしゃるんじゃなかろか。
と、あたりを見回した。
しかし、それらしき人は周りにはいない。
おかしいなあと思いながら店内を歩いているとまた、異臭が漂ってくる。
何ともいえない懐かしいような、後ろめたいような、いや~な臭いなのだ。
再びあたりを見回すが、やはりそれらしき人や物も見当たらない。
場所を移動する度に異臭がついて来るのだ。
おかしいなあと思いながら店内を歩いていると、ふと思いついた。
あ、このところ風呂に入っていなかったのだ!
そうか、あの異臭は自分だったのか、いや、お恥かしいと思いながら、
腕やTシャツなどの臭いを嗅いでみる。
多少汗臭いがそれほどでもない。
おかしい・・・。
本当にあの異臭は自分なのかと疑心暗鬼になる。
だが、自分の臭いは自分では分からないものなんだ、
と、自分を納得しつつ本を買うのも忘れ店を出る。
そして、
帰ったらすぐ銭湯に行こうと思いながら家路を急いだのだった。
しかし、この話はこれで終わった訳ではない。
思いもよらない恐ろしい結末が待っていたのだ・・・。
つづく
夏の一日