青騎士のブログ
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霧の中の風景

11月30日(火)



駅に向う途中で気がついたことがある。

ついこのあいだまであった家がなくなっていたのだ。

映画のセットのような古い建物だった。

耐久性の問題なのか、それとも周りとの調和の問題なのか、

解体作業されて跡形も無くなくなっていた。


知らない町並みを歩いていた。

午後の光の中に静かな商店街が続いている。

初めての町なのに何故かなつかしい。


思えば遠くへ来たものだと思う・・・。




猫のいた風景

青騎士のブログ-neco








物語が、始まる

11月29日(月)



渋谷に行こうと思い電車に乗った。

中目黒を過ぎてから渋谷まで歩こうと急に思い立ち、

代官山で折り返し中目黒で電車を降りた。


途中、山手通り沿いのブック・オフに立ち寄る。

川上弘美さんの『東京日記 卵一個ぶんのお祝い。』が目に止まり、立ち読みをした。


これだ!と思った。


最近ブログのネタに困っていたので大変参考になった訳である。

買おうかなと迷ったが650円だったのでやめて、100円均一の川上さんの『真鶴』(単行本)と

糸山秋子さんの『海の仙人』(単行本)を買った。


『海の仙人』は大変好きな作品で何度か文庫本で読んではいるが、

今度は単行本で読んでみたいと思ったのだ。

内容が変わるわけでもないが、まあ気分の問題である。


それにしても最近は本屋さんで小説のたぐいを買ったことがない。

もっぱら100円均一でお世話になっている。

申し訳ないような気持で店を出る。


そして、小説二冊分重くなったバッグを肩にかけて渋谷に向って歩いた。




目黒川の橋上にて


青騎士のブログ-目黒川






ネバーエンディング・ストーリー (2)

ゴマ



家に着いて、早速銭湯に行った。

夕方のまだ明るいうちに入る銭湯は気持が良いのだ。


何日かたった。


朝、出掛ける時ふいに、またあの異臭が漂った。

あの懐かしいような、後ろめたいような、いや~な臭いがどこからともなく漂ってくる。

風呂は入っているのに。

おかしい・・・。


その夜。


テレビを見ながら何気なく指でヘソをいじっていた。

その時、黒いかたまりがヘソから出て来た。


ハッと気づく!!

臭いを嗅いでみた。


異臭の正体はヘソのゴマだったのだ。


こんな小さなかたまりに数日の間悩ませられるとは。

ヘソのゴマの存在は偉大である。



それからは風呂に入る度、入念にヘソを洗うようになった。

しかし、正直に言うとヘソのゴマの臭いは嫌いではない。

好きというのでもないが、何故か嗅ぎたくなってしまう匂いなのだ。



またいつの日か、あの懐かしいような、後ろめたいような、いや~な臭いを嗅いでみたいと思うのだ。





あ、それと耳の後ろもちゃんと洗わなくちゃね。


                                                 おわり




秋から冬へ


青騎士のブログ-あき




ネバーエンディング・ストーリー (1)

汗・・・



今年の夏の暑い盛りのこと・・・。


ブック・オフで本を見ていた。

その時、どこからともなく異臭が漂ってきたのだ。


むむっ!こ、これは・・・近くにホームレスの方がいらっしゃるんじゃなかろか。

と、あたりを見回した。

しかし、それらしき人は周りにはいない。


おかしいなあと思いながら店内を歩いているとまた、異臭が漂ってくる。

何ともいえない懐かしいような、後ろめたいような、いや~な臭いなのだ。

再びあたりを見回すが、やはりそれらしき人や物も見当たらない。


場所を移動する度に異臭がついて来るのだ。


おかしいなあと思いながら店内を歩いていると、ふと思いついた。

あ、このところ風呂に入っていなかったのだ!

そうか、あの異臭は自分だったのか、いや、お恥かしいと思いながら、

腕やTシャツなどの臭いを嗅いでみる。

多少汗臭いがそれほどでもない。

おかしい・・・。

本当にあの異臭は自分なのかと疑心暗鬼になる。


だが、自分の臭いは自分では分からないものなんだ、

と、自分を納得しつつ本を買うのも忘れ店を出る。



そして、


帰ったらすぐ銭湯に行こうと思いながら家路を急いだのだった。




しかし、この話はこれで終わった訳ではない。

思いもよらない恐ろしい結末が待っていたのだ・・・。


                                     つづく




夏の一日


青騎士のブログ-なつ






巴里の空の下セーヌは流れる

水色は涙色・・・



午後になって外に出てみた。

昨夜の雨も上がり、水色の空には白い雲が流れてゆく。


こんな気持の良い休日の昼下がりはビールなど飲んで

昼寝でもしたいものだ。



さあ、今日もあてもなく街をさまよってみようか。




ああ、どこを見上げても東京の空は電線に切り取られてしまう・・・。



青騎士のブログ-c






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