産休明けの部下に、
「お前もそろそろまた一人で回ってみるか。」
と言ったところ、
「私で大丈夫でしょうか…。」
と実に頼りなさげな返事。
知識や技術はまだまだだけど、いつも笑顔でとても顧客受けが良く、そのほんわかした雰囲気が出産後さらに磨きがかかった彼女なのです。そのことは僕にも、他の誰にも真似できません。もうある程度はできるんだから、今後は覚悟を決めて、判断もすべて一人でやらなければならないという立場に身を置くことでしか、本当の意味でのさらなる知識や技術は身につきません。必要なのは度胸を決めることなんです。
そう言って励ましたんだけど、なんだかまだゴチャゴチャ言うので、
「あのさあ、例えば野球で、『僕で大丈夫でしょうか…』と言うピッチャーを、監督がマウンドに送り込むと思う? あなたに必要なのは、『監督、私に投げさせてください!』っていう心ですよ。」
「! なるほど、そのとおりですねっっ!」
それで思い出したのがジョン・フォガティのCENTERFIELDっていう、アメリカの球場に行くと必ずかかる歌。
Put me in, Coach, I'm ready to play today!
監督、準備はできてる。俺に投げさせてくれ!
さあ、いつ言って来るかな。「私に投げさせてください!」