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「陰陽師0」(2024/ワーナーブラザース)

 

 監督:佐藤嗣麻子

 原作:夢枕獏

 脚本:佐藤嗣麻子

 

 山崎賢人 染谷将太 奈緒 安藤政信 村上虹郎

 板垣李光人 國村隼 北村一輝 小林薫

 

 おすすめ度…★★☆☆☆ 満足度…★☆☆☆☆

 

 
すいません、後半は完全に睡魔との闘いでした、
 
軽い、とにかく軽い、映像も、脚本も、キャストも、なぜだろう?すべてが軽い。
 
改めてエンドロールを見ていたら、監督と脚本が佐藤嗣麻子だった。
なんだ、最初からB級エンタメ系作品だと教えてくれたらよかったのに。
 
考えたら山崎賢人主演というだけで無駄にハードル上げちゃったんだよな、観る側も。
 
大河ドラマ「光る君へ」の舞台でもある平安時代の陰陽師である若き日の安倍晴明の姿を描いた作品。
 
大河ドラマでは安倍晴明をユースケ・サンタマリアが演じており、それなりの雰囲気を醸し出している。
 
映画ではすでにシリーズ化された野村萬斎主演の「陰陽師」があったのでいまさら感は拭えないし、山崎賢人主演でリブートかと思いきや、単純に時流に乗っただけといった印象。
 
ところがワーナーブラザース映画配給とか大見得を切っちゃったもんだから、それなりのスケール感を出そうと「ゴジラ-1.0」でアカデミー賞受賞の白組と組んだものの、ほぼ想像の範囲内の演出に終始した感じで睡魔を振り切るまでには至らなかった。
 
佐藤嗣麻子監督というとやはり初期の「エコエコアザラク」シリーズ…吉野公佳!…でその名を知って、最近では「アンフェア」シリーズの人という感じで、テレビドラマの演出が多い印象。
 
山崎賢人の安倍晴明というのもイマイチ嵌らないというか、上映前の予告編が「キングダム」の新作だったりするものだから、そちらのイメージばかりがチラついて平安時代には入り込めなかった。
 
染谷祥太の頼りない貴族もどこか違和感が残るし、奈緒も残念ながらこの時代の姫君というにはビジュアルが弱い。
 
村上虹郎や安藤政信など癖のある脇役たちもいまひとつだし、板垣李光人に至っては、いろんな作品のキャラがダブってしまって…。
 
さりとて國村隼や小林薫といったベテランも大した見せ場がなく、これだけのキャストを集めてながら、エンターテインメントにも昇華できず、やっぱりすべてが軽いんだと思う。
 
海外のリブート作品がどんどんスケールアップして、それなりの切り口で新しい世界観を構築してるのに対して、日本映画界は相変わらず中途半端というか、腹の括り方が弱いんだろうな。
 
そういう意味ではやはり「ゴジラ-1.0」があえて時代を遡ることで、まったく新しい世界観を構築したことは評価されて当然だろう。
 
今の映画ファンはいろんな意味で目が肥えてしまっているから、サラッと上書きしただけの作品はすぐに飽きられる。
当面は山崎賢人人気で客層を引っ張れるかもしれないけれど、これを誰かに薦めるというレベルの作品ではなかったと思う。
 

 ユナイテッド・シネマ前橋 スクリーン9