近畿大学最寄り駅の近鉄大阪線長瀬駅になぜ普通しか停まらないのか | まりん

まりん

カメラ、鉄道ファンのブログです

題名のとおりです。

 

近鉄大阪線長瀬駅は近畿大学東大阪キャンパスの最寄り駅であり、2万人以上の学生が利用します。

 

ホーム有効長は最大6両まで。2面2線の対面式ホームを持ち、上下線の改札内での行き来はできません。

停まるのは各駅停車のみで、優等列車はすべて通過します。

 

そのためか、毎年新入生が入りたてのこの時期には

「なんで普通しか停まらないの」

「急行とめろ」

「不便」

「イベントのときには急行が停まるのに」

などと声が上がります。

 

そこで、今回なぜ普通しか停まらないのかを検証してみることにしました。

 

まず現状を述べておきますと、

7時台長瀬方面:7本   7時台〜15時台鶴橋方面:5本

8時台長瀬方面:9本   16、17時台鶴橋方面6本

9時台長瀬方面:6本   18時台鶴橋方面:7本

10時台長瀬方面:7本  19、20時台鶴橋方面:5本

以降データイム:5本

 

と、ラッシュでは6〜9本、データイムでも5本が確保されており、データイムで平均12分に1本が来ています。

これを多いと見るか少ないと見るかは別ですが、大抵の列車が乗車率100%にたどり着くかどうかで増発が急がれる状況ではないため、優等が止まることはないのだとかんがえています。

ちなみに乗車率とは、座席定員だけではなく立ち席定員も含めたものです。

 

 

 

理由は大きく2つあります。

・ダイヤの都合上

・駅構造の都合上

 

ちなみに、イベントの時に急行が停まると間違いなく遅延が発生しています。なのでよほど出ない限りすることはありません。

 

まず、駅構造の都合上について解説します。

長瀬駅は最大6両まで停車できます。

 

近鉄大阪線を走るのは、

名阪間を走る特急(甲、乙)

大阪から伊勢島を結ぶ特急(甲、乙)

快速急行(夕ラッシュのみ)

急行

(区間)準急

普通

の8種類で、日中はしるのは快速急行を除く7種類です。

 

準急は4両からありますが、一部が最大10両まであるため、停車できません。

名鉄などで実施されているドアカットはしないのか、と言う話が出るかと思いますが、長瀬駅の大阪寄りには踏切があり、ドアカットをして4両(20×4=80m)分が踏切にはみ出してその間列車が通り過ぎたにも関わらず、踏切は上がらなというトラブルが発生し、渋滞の原因になります。

またまちがって後ろに乗った乗客が降りようとすると降りれなく成ってしまうこともあります。

ホームを伸ばせばどうかという声もありますが、周囲は住宅密集地でそのような土地はありません。

さらに、近鉄は40年以上前の車両から最近の車両までと多種多様な列車が通勤車に使用されるため、すべての車両がドアカットに対応していなければならず、じき廃車となる予定の古参車にまで改造してドアカットをつけるということも損失が大きく実現はしないでしょう。

 

では次にダイヤの問題です。

 

 

 

近鉄大阪線は大阪から名古屋を結ぶ大動脈であるため、データイムでも名阪直通特急(アーバンライナー、乙特急)が1時間2本、伊勢志摩方面直通特急(伊勢志摩ライナー)、伊勢中川乗り換えで大阪名古屋を結ぶ特急(阪伊乙特急)が1時間2本、そのうち10時には観光特急しまかぜもはしり、屈指の特急街道と成っていて、特急優先のダイヤが組まれています。

その合間を縫うように日中は普通、区間準急、急行が走っています。

 

以下に簡易的な停車駅一覧を載せます。

◎は、一部は高安度目、国分止二種類があるためこの表記にしました。

 

 

 

また、日中の普通、区間準急、急行の主な役割は、

・普通:東大阪市南部近辺と近畿大学から大阪市内の輸送

・区間準急:八尾市付近、大阪教育大学から大阪市内の輸送

・急行(布施の次が河内国分):国分以東から大阪市内の輸送

 

となっています。

ちなみにここからわかるように大阪教育大学前駅も準急(実質上の各駅停車)しか止まりません。

また、高安以東は区間準急が各駅に停車し、輸送をにない急行が速達列車として走っています。

 

各時間ごとに解説していきます。

 

・鶴橋7時台発

 

ダイヤグラムです。

赤が特急、オレンジが快急、黄色が急行、緑が準急、黒が普通を表し、1本の線が1つの列車を表します。

見ても分かる通りかなり過密です。

 

・鶴橋8時台

一番多い8時台です。31列車と32列車の間に一本走らせれるのではと思うかもしれませんが、始発である大阪上本町に車両がないため、また車庫へ引き上げる回送用の筋であるために走らせることはできません。

 

データイムでも同様にここまで本数は多くありませんが、上本町から折り返す車両がない事も含めて、これ以上の改善は大規模ダイヤ改正がないと難しいかもしれません。

 

しかし、難波方面から高安への回送列車や難波方面からの特急、大阪線から難波方面への特急など難波方面とも乗り入れているため、奈良線への影響も考慮せねばならず、更にその直通先の阪神、山陽との兼ね合いも考えねばなりません。

また、大和西大寺駅では京都、橿原方面との列車の兼ね合いも考えなくてはならず、そうなると大和八木駅での接続も考え直さなければならなくなり、途方もないことになるのでまずないと考えていいでしょう。