ルノアール日録 -11ページ目

FRICTION

ゆうべ仕事終了後、シネセゾン渋谷のレイトショーで映画『ROCKERS〈完全版〉』を観る。

フリクションが圧倒的にカッコいい。他のバンドとは一線を画す疾走感、存在感、センス、同時代のシーンに於ける突出ぶりを伺わせるに充分。“何年経っても色褪せない”的な常套句を躊躇わず使いたくなるロックンロール。インタビューでの存外ジェントルなレックの受け答えにも好感。

想像以上に良かったのがミラーズ。演奏終了後のヒゴヒロシの佇まい、アンコールを促されて「じゃ、やるか」的な所作に痺れるものあり。

スピードの青木真一の話が面白かった。「ドラムが辞めちまったから、前のバンド仲間にドラム頼もうとテープ送ったら“こういうのはもう疲れるから”って断られて…すっかりニューミュージックのスタジオミュージシャンになっちまっててよぉ」みたいな要旨だったが、前の仲間とは、たぶん上原“ユカリ”裕のことなんだろうな…。

イスタンブール

テアトル新宿からこまばアゴラ劇場に移動、「青年団」の『冒険王』(作・演出/平田オリザ)を観劇。
再々演とのことだが、筆者は初見…それもその筈で、筆者が演劇をあれこれ観だしたのはこの1年ぐらいのこと。
1980年夏、トルコのイスタンブールの安宿に吹き溜まる日本人バックパッカー達の群像。
日常会話劇としての成り立たせ具合が、さすが元祖・青年団といった趣。座ったり寝そべったりしながら会話するだけなのに、その世界は流動性豊かで開放的。劇場の小ささ加減もちょうど良い。

兄弟続き

『かみそり半蔵地獄責め』、勝新演じる主人公・かみそり半蔵の子分を演じていたのが、草野大悟(当時黒色テント?)と蟹江敬三(当時櫻社?)という、当時のアングラ~小劇場演劇でバリバリやってた2人だったのにしびれた。他にも小松方正、岸田森、西村晃、佐藤慶…と、筆者の好きなイイ顔の芸達者たちのオンパレードが何とも愉しい。佐藤慶と蟹江敬三を除いた全員が故人というのが、あらためて淋し過ぎる。